2025年10月30日 19:24

中国や韓国でシャインマスカットの無断栽培が横行する中、日本の農業戦略が岐路に立たされています。
品質が劣る海賊版との差別化を図るため、国は認可生産を認める検討を始めましたが、生産者の間では意見が割れています。

シャインマスカットは農研機構が開発した品種で、食味が良いことから苗が無断で持ち出され、韓国や中国で栽培が広がりました。
これらの栽培面積は2022年の時点で、韓国では6067ヘクタールと日本の2倍以上、中国で7万3700ヘクタールと日本の28倍に上り、一部には粗悪な品質のブドウも出回るなどして、ブランドイメージを毀損しているといいます。

こうした中、農水省は日本国内の企業がニュージーランドでシャインマスカットを生産する認可を与えるか、検討しています。
正規品を認め、粗悪な「海賊版」を淘汰したい考えですが、県内を含む生産者の受け止めはさまざまです。

10年前に巨峰からシャインマスカットに切り替えた農家は…
生産農家
「大反対。農家をつぶす政策だと思う。シャインマスカットができたことで、農家が安定して収入を得られていたが、国内農家が厳しくなり、今でさえ跡継ぎがいないのに」

一方で、シャインマスカットに寄りかかりすぎた現状を問題視する農園も…
志村葡萄研究所 志村晃生 社長
「私は賛成している。そろそろ潮時なのかと思っている。時代とともにブドウが進化してきている中で、シャインマスカットにこだわらなくても、次のブドウを守っていくほうが個人的には大切だと思っている」
国産も栽培面積の拡大で値崩れの指摘がある中、中長期的な視野に立った対策が求められています。

最終更新日:2025年10月30日 19:24
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