米国のトランプ大統領は31日、ベネズエラ国内の軍事施設などを攻撃する決定を下したとの報道を否定した。これは、同氏が攻撃を承認したとする一部報道や、一連の船舶攻撃に続いて陸上攻撃を準備しているとする自身のこれまでの発言とも矛盾する。

  トランプ氏は大統領専用機「エアフォースワン」で、記者団からベネズエラの軍事施設への攻撃を検討しているのは事実かと問われ、「ノー(いいえ)」と答えた。攻撃について決定を下したのかとの質問にも、「ノー」と答えた。

  米紙マイアミ・ヘラルドが同日、トランプ政権がベネズエラ国内の軍事施設への攻撃を決定し、攻撃はいつでも行われる可能性があると報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も前日、政権が攻撃の候補となる標的を特定したと伝えた。ただ、実施の可否についてはまだ決定していないとしていた。

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  これに先立ち、ホワイトハウスのアナ・ケリー報道官はこの報道について尋ねられ、「匿名の情報源は、何について話しているのか分かっていない」と述べた。

Trinidad Tobago US Ship

10月26日にトリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインに到着した米海軍の駆逐艦

Photographer: Robert Taylor/AP Photo

  トランプ大統領は先週、カリブ海と東太平洋で9月中旬以降に麻薬密輸容疑の船舶を相次いで攻撃した後、「次は陸上だ」と述べていた。

  ルビオ米国務長官などトランプ氏のアドバイザーらは、ベネズエラのマドゥロ大統領について、正統性がないとして退陣すべきだとの立場を取っている。

  陸上攻撃に踏み切れば、麻薬流入の阻止とマドゥロ氏を追い込むことを狙った、トランプ氏によるさらに攻撃的な作戦の集大成となる。米政権は先週、空母を含む海軍の空母打撃群を中南米地域に派遣すると発表した。米国はすでに、国境警備作戦の一環として、攻撃に使用された航空機に加え、誘導ミサイル駆逐艦も展開している。

  トランプ氏はこれに先立ち、ベネズエラでの中央情報局(CIA)による秘密作戦を自ら承認していたことを明らかにしている。

原題:Trump Denies Reports That He’s Planning Strikes on Venezuela (1)(抜粋)

— 取材協力 Kate Sullivan

(詳細を追加し、更新します)

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