今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では地区連銀総裁2人が、依然高過ぎるインフレを理由に利下げ決定を支持しなかった。
ダラス連銀のローガン総裁は31日、ダラスでのイベントで「今週利下げを行う必要はないと考えた」と述べた。
この日それより前には、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁が、今週の会合で0.25ポイント利下げに反対票を投じた理由について声明を発表。
「私の見立てでは、労働市場はおおむね均衡しており、経済は勢いが継続していることを示している。そしてインフレは依然として高過ぎる」と声明に記した。
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次回12月FOMCまでに激しくなると見込まれる議論の口火を、ローガン、シュミッド両総裁が切った形だ。FOMC内は現在、労働市場を支えるために追加緩和が必要だとする勢力と、インフレをより強く懸念するメンバーとの間で意見が分かれている。
ローガン総裁は「想定より速いインフレ鈍化や一段と急激な労働市場の冷え込みに関する明確な証拠がない限り、12月に再び利下げをするのは難しいと私自身は考える」と述べた。
今週のFOMC会合では2会合連続での0.25ポイント利下げが決まった。夏場に雇用が急減速したことを受け、労働市場への懸念が強まったことが背景にある。
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パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、市場が予想する12月の追加利下げは既定路線ではないと述べ、FOMCメンバーの一部がインフレを懸念していると説明した。
ローガン総裁は今年のFOMCで投票権を持っていないが、議論には参加している。来年には投票権を得る。
今週のFOMCでは、投票権を持つメンバーのうち2人が0.25ポイント利下げに反対票を投じた。シュミッド総裁は政策金利の据え置きを主張し、マイラン理事は2会合連続で0.5ポイントの利下げが必要と唱えた。
バランスシート
ローガン総裁は、FRBのバランスシート縮小を12月1日に終了するというFOMCの決定については支持したことを明らかにした。バランスシートが正常な規模に近づいていることを、短期金融市場の状況が示しているためだという。
短期金融市場でここ数週間、短期金利が上昇していたことを受け、FOMCは3年ほど続けていたバランスシート縮小を終了すると発表した。
ローガン総裁はバランスシートのランオフ(償還分を再投資しないなどの手段で保有証券を削減すること)を終了すれば、資金調達圧力を和らげるのに寄与するとの認識を示した。
原題:Logan Joins Schmid in Opposing Fed Rate Cut, Citing Inflation(抜粋)
(シュミッド総裁の声明内容やバランスシートに対するローガン総裁の姿勢などを追加して更新します)

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