米アマゾン･ドット･コムが30日発表した7－9月（第3四半期）決算では、クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス（AWS）が約3年ぶりの力強い成長を示した。同社が競合相手に押されているとの懸念が和らいだ。
発表資料によると、7－9月期のAWS売上高は330億ドル（約5兆800億円）となり、前年同期比20%増加した。伸び率は2022年末以来最大で、アナリスト予想平均（18%）も上回った。
同社はここ数四半期、新たなデータセンター稼働に制約があると説明していたことから、決算発表前にはクラウド事業に対する投資家の期待は比較的低かった。アンディ・ジャシー最高経営責任者（CEO）をはじめとする経営陣は同事業に楽観的な見方を示したものの、成長が再び加速するとの予想には踏み込まなかった。
アマゾンの株価は引け後の時間外取引で約10%上昇した。人工知能（AI）分野の恩恵がまだ十分に得られていないとの懸念が投資家の間でくすぶる中、同社の株価は今年、同業他社に出遅れていた。マイクロソフトやアルファベット傘下のグーグルは、クラウド事業でAWSを上回る成長を見せてきた。
アマゾン決算に関する報道
DIGI: Scott Devitt
ジャシー氏は発表資料で「AIと基盤インフラで強い需要が続いている。処理能力拡大に注力しており、過去1年間で3.8ギガワット超相当を追加した」と説明した。
7－9月期の同社全体の売上高は前年同期比13%増の1802億ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均1778億ドルを上回った。
ジャシー氏の下でアマゾンは、自動化推進などを通じて小売り事業の収益性向上にも取り組んでいる。だが、AI分野の競争を巡る同社の見通しに投資家の関心が集まる中、そうした取り組みは以前ほど注目されなくなっている。
アマゾンも主要ライバルと同様、AIモデルの構築・運用を支えるデータセンター・半導体に対する大規模投資を手掛けている。7－9月期は不動産・設備購入が前年同期比55%増の351億ドルに達し、アナリスト予想を上回った。
原題：Amazon Reports Cloud Unit Sales Grew Faster Than Expected (1)（抜粋）
— 取材協力 Spencer Soper
(3段落目以降に決算詳細や背景を追加して更新します)
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