神奈川トヨタ自動車(株)=神奈川区=は、日本大学工学部発のベンチャー企業(株)e6s(えしっくす)=西区=および同学部と共同で、災害時でも繰り返し使用可能な「完全自立型移動式水洗トイレ」を搭載した車両を開発した。

 このトイレは汲み取り式ではなく、汚物を固体と液体に分離する装置を内蔵。個体は圧縮してロール紙で巻き取り、液体は浄化ユニットでろ過され洗浄水として再利用される。実験では1千回以上連続使用しても洗浄水の再生が可能だったという。

 車両上部の太陽光パネルにより、断水・停電時でも繰り返し使用可能。仮設トイレには珍しい温水洗浄機能も備える。普通免許で運転可能な小型トラックに搭載できるため、被災地の仮設トイレとしての機動性も利点。

 被災地のほか、工事現場やイベントなどの活用も想定されており、11月に関内周辺で行われるイベントの会場にも設置される予定。

 10月21日には栄町の神奈川トヨタ本社整備工場で、報道陣向けのデモンストレーションが実施された。同社では販売に向けて年内をめどに方向性を検討中だといい、松本勇人執行役員は「自治体や警察、消防、ゼネコンなどへの販売を想定している」と話した。

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