2025年FIA-F1世界選手権第20戦メキシコGPの決勝レースが現地10月27日、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションから全周リードの圧勝を飾った。角田裕毅(レッドブル)は痛恨のピットロスが大きく響き11位と、惜しくも入賞を逃した。
71周のレースはまさにノリスの独壇場だった。同じくソフト→ミディアムの1ストップ戦略を採った2位シャルル・ルクレール(フェラーリ)に30.374秒もの大差をつけてトップチェッカーを受けた。その見事な勝利の裏で、白熱のタイトル争いはやや水を差される結果となった。
VSCが水を差したタイトル争い
ランキング3位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がルクレールを、首位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がオリバー・ベアマン(ハース)をDRS圏内で猛追する展開の中、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)がリアを壁に当て、スタジアムセクションで停止。残り2周でバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
最終周に解除されたものの、両者の反撃の芽は摘まれ、5番手スタートのフェルスタッペンは逆転の3位表彰台。ベアマンはキャリア最高位となる4位フィニッシュを果たし、ピアストリは5位に終わった。これにより、残り4戦を前にノリスが選手権首位に立った。
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表彰台に並ぶ優勝のランド・ノリス(マクラーレン)、2位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、マクラーレンのパフォーマンスエンジニア、アンドリュー・ジャーヴィス、2025年10月26日(日) F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
大きく分かれたタイヤ戦略
ピットストップ回数、スタート選択を含め、タイヤ戦略は大きく分かれた。事前の予想を大きく覆し、トップ4を含む12台がスタートタイヤにソフトを選択。その他はミディアムを装着し、後方アレックス・アルボン(ウィリアムズ)とフランコ・コラピント(アルピーヌ)のみハードを選択した。
レッドブル勢はフレッシュタイヤを履く2ストッパー勢に対し、1周あたり1.5~2秒近くペースが劣る中、第1スティントを引っ張り続け、上位勢としては変則の「ミディアム→ソフト」の戦略を取った。4位から7位までは「ソフト→ミディアム→ソフト」の2ストップを採用した。
レース中のソフトの摩耗は少なく、グレイニングも発生しなかった。その結果、ドライバーたちはリアタイヤのサーマル・デグラデーションを制御。スティントを延長することに成功した。
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2025年F1メキシコGP決勝における順位とドライバー別タイヤ戦略、2025年10月26日エルマノス・ロドリゲス・サーキット
ターン1、波乱の幕開け
例年、クラッシュを含む波乱の舞台となる1周目のターン1。ノリス、ルクレール、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)、フェルスタッペンの4台が横一線でコーナーへと飛び込んだ。
だが、アウト側のフェルスタッペンは行き場を失いコーナーをカット。続いてルクレールもターン2でコース外に飛び出たが、その後にリードを返上。結果、ノリスが首位を守り、ルクレールが2番手、フェルスタッペンはハミルトンにポジションを譲って4番手につけた。
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決勝1周目のターン1で横並びの2位争いを展開するフェラーリのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年10月26日(日) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
フェルスタッペンはその後、7周のターン1でハミルトンのイン側に飛び込んだが、両者軽く接触。ターン4ではハミルトンがコーナーをカットし、漁夫の利を得る形でオリバー・ベアマン(ハース)が4番手に。フェルスタッペンは5番手に後退した。
ハミルトンはターン4でのコースオフにより、アドバンテージを得たとして10秒加算のペナルティが科され、最終8位に終わった。
角田、ピットロスが響き11位に
角田はミディアムタイヤでスタートし、オープニングラップで2つポジションを上げて8番手に浮上した。一方、ソフトを履くピアストリは2つ順位を落として9番手に後退した。
序盤、角田はピアストリの猛攻を巧みに防いでいたが、11周目のターン1でオーバーテイクを許し9番手に後退。その後は2ストップ戦略を採用する上位勢に離され、エステバン・オコン(ハース)をDRS圏内に抱えながらの厳しい中盤戦を強いられた。
レッドブル勢は第1スティントを引っ張る戦略を採用。角田は36周目、フェルスタッペンはその翌周にソフトへ交換した。だが角田はピットで約9秒ものロスを喫し、15番手でコースへ復帰した。
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角田裕毅のピットストップ作業を行うレッドブルのピットクルー、2025年10月26日(日) F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
そこからは入賞圏内10番手までの約15秒差を懸命に追い上げた。新品ソフトのアドバンテージを生かして差を縮めたが、15周ほどで頭打ちに。それでも終盤、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)がアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)を交わして10番手に浮上すると、角田も翌周にこれに続き11番手へ。だがボルトレートとの差を詰めきれず、2.185秒届かない11位でフィニッシュした。
エステバン・オコンは9位でフィニッシュし、4位ベアマンと共にハースにダブルポイントをもたらした。
メルセデス、オーダー巡り一悶着
メルセデス勢はチームオーダーを巡る混乱を経て、アンドレア・キミ・アントネッリが6位、ジョージ・ラッセルが7位に終わった。
後方から迫るピアストリを背後に従えながら、ラッセルは38周目、「マクラーレンを先に行かせた方がいいのか?」と皮肉交じりに無線で発言。前方を走るチームメイト、アントネッリとのポジション交換を要求した。
その3周後、メルセデスはようやくチームオーダーを発動。2台の順位を入れ替えると、ラッセルは「おお、素晴らしい!」と再び皮肉を込めたトーンで無線を飛ばした。メルセデス勢とピアストリの激しい攻防を尻目に、フェルスタッペンは47周目、ハミルトンを攻略して7番手へと浮上した。
終盤に向けてレース展開が硬直する中、ラッセルはピアストリに交わされ6番手に後退。結局ベアマンを攻略できず、「喜んでポジションを返す」との約束通り、62周目にアントネッリを先行させた。
リタイア続出、波乱のメキシコ決戦
大きなクラッシュやセーフティーカー(SC)、赤旗の介入はなかったが、サインツを含む計4台がチェッカーを受けることなくレースを終えた。
リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)はスタート直後のターン1でウィリアムズと接触し、コースオフを喫した。ピットに戻ってフロントウイングを交換したものの、マシンへのダメージは深刻で、わずか5周目に無念のリタイアを余儀なくされた。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)はパワーユニット周りのトラブルで27周目に、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はブレーキのトラブルに見舞われ、35周目にクルマをガレージに入れリタイヤした。
2025年F1第20戦メキシコGP決勝リザルトPosNoDriverTeamLapsTimePTS
14ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス711:37:58.57425
216シャルル・ルクレールフェラーリ71+30.324s18
31マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダRBPT71+31.049s15
487オリバー・ベアマンハース・フェラーリ71+40.955s12
581オスカー・ピアストリマクラーレン・メルセデス71+42.065s10
612アンドレア・キミ・アントネッリメルセデス71+47.837s8
763ジョージ・ラッセルメルセデス71+50.287s6
844ルイス・ハミルトンフェラーリ71+56.446s4
931エステバン・オコンハース・フェラーリ71+75.464s2
105ガブリエル・ボルトレートザウバー・フェラーリ71+76.863s1
1122角田裕毅レッドブル・ホンダRBPT71+79.048s0
1223アレックス・アルボンウィリアムズ・メルセデス70+1 lap0
136アイザック・ハジャーレーシングブルズ・ホンダRBPT70+1 lap0
1418ランス・ストロールアストンマーチン・メルセデス70+1 lap0
1510ピエール・ガスリーアルピーヌ・ルノー70+1 lap0
1643フランコ・コラピントアルピーヌ・ルノー70+1 lap0
1755カルロス・サインツウィリアムズ・メルセデス67DNF0
NC14フェルナンド・アロンソアストンマーチン・メルセデス34DNF0
NC27ニコ・ヒュルケンベルグザウバー・フェラーリ25DNF0
NC30リアム・ローソンレーシングブルズ・ホンダRBPT5DNF0 コンディション
天気晴れ
気温26℃
路面温度52℃
周回数71
セッション概要
グランプリ名
F1メキシコGP
レース種別
決勝
レース開始日時
2025年10月27日 (月) 05:00
サーキット
名称
エルマノス・ロドリゲス・サーキット
設立
1962年
全長
4304m
コーナー数
16
周回方向
時計回り

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