イスラエル首相、ガザ地区へ即時攻撃を軍に命令

イスラエルのネタニヤフ首相は28日、パレスチナ自治区ガザに対する「強力な」攻撃を直ちに実行するよう軍に命じた。
写真は16日、エルサレムで撮影(2025年 ロイター/Alex Kolomoisky/POOL/Pool via REUTERS)

[エルサレム/カイロ 29日 ロイター] – イスラエルは28日、イスラム組織ハマスが停戦合意に違反したとして、パレスチナ自治区ガザへの空爆を実施した。地元保健当局によると死者は26人に上り、トランプ米大統領が仲介した停戦合意の実効性が試されている。

中部ブレイジ難民キャンプで5人、北部ガザ市で4人、南部ハンユニスで5人が死亡したという。目撃者によると、イスラエル軍機の空爆は29日未明までガザ地区全域で続いた。

イスラエル首相府はこれに先立ち、ネタニヤフ首相が「強力な攻撃」を直ちに実施するよう軍に命じたと発表。攻撃の理由は明らかにしていないが、ネタニヤフ首相はハマスによるを巡り「停戦合意に違反している」と非難していた。

トランプ大統領が仲介したガザ停戦合意は今月10日に発効。2年間にわたった戦闘は停止したものの、イスラエルとハマスは相互に停戦違反を非難しており、28日もラファでイスラエル軍とハマス戦闘員との間で銃撃戦があったとイスラエルのメディアが報じていた。

バンス米副大統領は「停戦は維持されている」と強調。ワシントンで記者団に対し、「だからといって散発的に小競り合いが起きないというわけではない」と述べた。また「ハマスかガザ地区内の何者かが(イスラエル)兵士を攻撃したことは分かっている。イスラエルは反撃するだろうが、それでも(トランプ)大統領の和平(計画)は維持される」との見方を示した。

ハマスはラファでのイスラエル軍に対する攻撃への関与を否定した上で、停戦合意を順守する姿勢に変わりはないと表明した。

イスラエル軍当局者は、ハマスがイスラエルの支配地域でイスラエル軍を攻撃したとして、「新たな停戦に対する明白な違反」と指摘。これに対し、ハマスの軍事部門カッサム旅団は、イスラエルによる停戦違反を理由に、28日に予定されていた人質の遺体引き渡しを延期すると発表した。

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