リトアニア、ベラルーシからの密輸運搬気球撃墜へ 空港閉鎖相次ぎ

バルト3国のリトアニアのルギニエネ首相(写真)は27日、ベラルーシから国境を越えて飛来する密輸用気球を撃墜する方針を表明した。ポーランド・ワルシャワで7日撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel)

[ビリニュス/パリ 27日  ロイター] – バルト3国のリトアニアのルギニエネ首相は27日、ベラルーシから国境を越えて飛来する密輸用気球を撃墜する方針を表明した。気球の侵入が相次ぎ、先週にビリニュス空港を4回閉鎖するなど、交通の妨害を受けたための措置。

リトアニアは、気球はベラルーシから欧州連合(EU)へ向けたタバコ密輸業者によるものだと主張した上で、ベラルーシのルカシェンコ大統領がこうした行為を防止しようとしていないとして非難している。

ルギニエネ氏は記者会見で、これは「ハイブリッド攻撃」だと指摘し、外交官と隣接するEU市民以外の通行を除き、ベラルーシとの国境検問所を閉鎖すると表明。「われわれは最も厳しい措置を取ることを決定した。他に方法はない」と述べた。リトアニアは北大西洋条約機構(NATO)に加盟しており、条約第4条に基づく安全保障協議の発動を協議する可能性があるとも言及した。

ベラルーシ外務省は、リトアニア臨時代理大使を呼び出し、公式通知なしに行われた一方的な国境閉鎖に抗議した。国営通信ベルタが報じた。

欧州の航空交通はここ数週間、空港でのドローン(無人機)飛行や、他の領空侵犯行為により、繰り返し混乱に見舞われている。リトアニアは23日、ロシア軍2機が約18秒間にわたって領空侵犯したと発表し、NATO戦闘機の対応につながった。ロシアは侵犯を否定している。

リトアニアのブドリス外相は、最近の領空侵犯は単発のものとみるべきではないと主張。「NATOの不安定化をもたらしたり混乱させたりするために計算された挑発行為だ」と交流サイト(SNS)のXに投稿した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は
リトアニアへの気球の侵入を受け、

こうした挑発的な「ハイブリッド脅威」は容認できないと表明。欧州はリトアニアと完全に連帯していると
し、
こうした問題が

欧州東部で警戒を高め、ドローン(小型無人機)による防衛を加速させなくてはならない理由になっていると述べた。

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Andrius Sytas

Andrius covers politics and general news in the Baltics – Estonia, Latvia and Lithuania, the three key states along the NATO’s eastern flank, the staunchest supporters of Ukraine and the most vocal critics of Russia in NATO and the European Union. He wrote stories on everything from China pressuring German companies to leave Taiwan-supporting Lithuania to Iraqi migrants hiding in the forest at the Belarus border to a farmer burning grain for heat during the energy crisis.

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