アルゼンチンで議会中間選挙が26日実施され、ミレイ大統領の政党「自由の前進(LLA)」が勝利した。トランプ米政権は積極的な自由市場政策を評価し、アルゼンチンに金融支援を実施してきたが、ミレイ氏はこうした政策を引き続き追求する上で議会内で強固な基盤を確保した。
内務省が公表したデータによると、LLAは開票率92%の時点で41%の票を獲得。地元紙クラリンは同党が大半の州でリードし、主要野党を大きく引き離したと報じた。
ミレイ氏は勝利演説で、下院議員101人と上院議員20人の支持を得たと述べたが、その中にパートナー政党の議員が含まれるかは明らかにしなかった。下院(定数257)で3分の1を超える議席を確保したことで、自身の拒否権を守るとともに、税制や労働、年金制度の見直しなどを推進する基盤を築くことになった。
ミレイ大統領は26日夜、ブエノスアイレスで「アルゼンチン国民は失敗のモデルに戻りたくないという意思をはっきり示した」と指摘。「これはアルゼンチン史上、最も改革志向の強い議会だ」と語った。

「自由の前進(LLA)」本部で支持者らに手を振るミレイ大統領
Photographer: Luis Robayo/AFP/Getty Images
9月に実施されたブエノスアイレス州地方選では、LLAが野党・正義党に大敗していた。この結果を受けて、投資家の間ではミレイ氏の支持基盤への懸念が広がり、ペソが急落。トランプ政権はペソとミレイ政権を支える取り組みとして、アルゼンチンへの金融支援を打ち出していた。
トランプ大統領は27日、ソーシャルメディアに「ミレイ大統領の地滑り的勝利に祝意を表する」と投稿。「彼は素晴らしい仕事をしている!われわれの彼への信頼が正しいとアルゼンチン国民によって証明された」とコメントした。
中間選挙の結果を受け、27日の相場は上昇するとみられる。先月の地方選前には、ミレイ氏が目指してきた規制緩和や大胆な予算カットが投資家から評価を受けていた。
ゴールドマン・サックス・グループのマネジングディレクターで、中南米マクロ経済調査責任者を務めるアルベルト・ラモス氏は中間選挙の結果について、「ミレイ氏率いるLLAは非常に力強く、決定的なパフォーマンスを示した」と指摘。「これはミレイ政権に新たな正統性と政治的資本を与え、それを適切に活用すれば統治能力が強化されることになるだろう。また、米国による強力な金融支援が継続する可能性も示唆している」と述べた。
原題:Milei’s Party Wins Argentina Midterm Vote in Major Comeback (4)(抜粋)
(情報を追加し更新します)

WACOCA: People, Life, Style.