
さいたま市は、2031年度を目途にさいたま新都心に移転整備するさいたま市役所本庁舎について、新庁舎の設計を行ない、「さいたま市新庁舎整備基本設計説明書(素案)」として取りまとめた。今後、説明会や意見募集を行なう。
現在の本庁舎は築約50年が経過し、経年による劣化、執務環境の狭あい化や分散化、バリアフリー環境の劣化等の課題があることから、さいたま新都心に新庁舎を建設し、移転することを計画している。
計画地はさいたま市大宮区北袋町1丁目603番地1 外。敷地面積は約15,000m2(新庁舎敷地)、約2,300m2(民間機能敷地)。規模は地上18階・地下1階で、延床面積は約64,000m2。行政棟、議会棟、中広場棟で構成され、これらとは別に民間機能の施設を計画している。

さいたま新都心駅から新庁舎街区へのメインアプローチは、歩行者デッキを整備することで車両動線と分離し、安心・安全にアクセス可能な2階デッキレベルとするとともに、バリアフリーに配慮する。車両動線に関しては、自動車駐車場、ロータリーへの出入口を交通量の少ない敷地西側に設ける。
低層部に中広場、外広場、階段広場で構成される市民広場、18階に展望施設を設置。中広場は天候に左右されない屋内広場で、大型ビジョンやロールバックチェアを備える。階段広場は地上とデッキをゆるやかにつなぐ多機能階段で、キッチンカーを入れることもできる。外広場は屋根付回廊に囲まれた新庁舎のエントランス広場。展望施設は回廊状に全周を見渡せる設計とする。
中広場
展望施設
議会棟の外広場に面した位置には、休日も開放することを想定したコミュニティラウンジを計画。中広場棟には来庁者が気軽に過ごせるラウンジを備える。行政棟、議会棟、中広場棟を相互に行き来しやすくするほか、中広場棟と外広場や行政棟がシームレスにつながり、スムーズな人の流れと滞留を両立する計画とし、外広場と中広場の一体的な利用を促す。
外広場を取り囲むように行政棟、議会棟、中広場棟を配置し、それらをつなぐように屋根が緑化された屋根付回廊(グリーンコリドー)を設けることで、緑陰による爽やかなアプローチ空間とする。また、外広場の緑辺部を段状に緑化することで、さいたま新都心公園との緑化空間をつなぐ。
さいたま市では、さいたま市新庁舎整備基本設計説明書(素案)について、11月24日に説明会(定員100名/抽選)を開催。また、10月27日から11月28日まで意見募集を行なう。

WACOCA: People, Life, Style.