ドイツ、29年にかけ計1400億ユーロ超の財政赤字に=財務相

 10月23日、ドイツのクリンクバイル財務相は2029年にかけて計1400億ユーロ(1630億ドル)を超える財政赤字に直面しており、政府機関の支出削減が必要になるとの認識を示した。写真は2024年4月、独フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ベルリン 23日 ロイター] – ドイツのクリンクバイル財務相は23日、2029年にかけて計1400億ユーロ(1630億ドル)を超える財政赤字に直面しており、政府機関の支出削減が必要になるとの認識を示した。ただ、この期間には想定を超える税収が見込まれている。

メルツ政権は3月に5000億ユーロ(5820億ドル)を支出する計画を表明し、新型コロナウイルス禍とロシアによるウクライナ侵攻の打撃を受けた経済を成長させるのに必要だと訴えている。しかし、どのように歳入を得るのかを巡っては疑問も生じている。

税務当局は25年から29年にかけての税収予測を0.7%上方修正し、5兆1700億ユーロと試算した。これに伴い、メルツ政権は25―29年の税収が従来予測より336億ユーロ(391億8000万ドル)増加すると見込んでいる。

税収予測が上振れしたことを受け、27年に300億ユーロ程度と試算されていた財政赤字は70億―80億ユーロ縮小する見通しになった。

一方、予算を担当する内務省高官は記者会見で、28年の予算は約600億ユーロの不足となり、29年も600億ユーロを超える不足になる恐れがあると説明した。

クリンクバイル氏は「27年以降の財政赤字を見据え、厳格な財政再建方針の追求を続ける。全ての省庁は引き続き削減を義務付けられる」と説明。メルツ政権で大連立を組む各党党首らが、29年までの財政計画で赤字を埋めるための計画などを25年末から26年初めにかけての時期に発表すると表明した。

ドイツは24年の国内総生産(GDP)が2年連続で前年を下回り、主要7カ国(G7)で唯一過去2年間マイナス成長となった。

25年のGDPは0.2%増えると見込んでおり、国家支出に支えられて26年は成長率が1.3%、27年には1.4%にそれぞれ拡大すると予想している。

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Maria Martinez

Maria Martinez is a Reuters correspondent in Berlin covering German economics and the ministry of finance. Maria previously worked at Dow Jones Newswires in Barcelona covering European economics and at Bloomberg, Debtwire and the New York Stock Exchange in New York City. She graduated with a Master of International Affairs at Columbia University as a Fulbright scholar.

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