
ロシアのプーチン大統領は23日、米国による新たな制裁はロシアに圧力をかけるための試みで、ロシア経済には影響しないという認識を示した。写真はモスクワで同日撮影(2025年 ロイター/Sputnik/Vyacheslav Prokofyev/Pool via REUTERS)
[モスクワ 23日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は23日、ロシアは米国などの外国の圧力に決して屈しないと述べた上で、ロシア領土の奥深くを狙った攻撃があれば「極めて深刻」に報復すると警告した。
ロシア国営メディアによると、プーチン氏は米国が発表した新たな制裁措置について「非友好的な行為」と非難。同時に、「一定の影響はあるものの、ロシア経済が大きな影響を受けることはない」と指摘。「明らかにロシアに圧力をかけようとする試みだ」とし、「誇り高い国や国民が、圧力を受けて何かを決めることは決してない」と語った。
米政府は22日、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表。トランプ米政権がウクライナ関連で対ロ制裁を科すのは初めてで、ウクライナでの即時停戦の実現に向け圧力を強化する政策に転換したとみられる。
プーチン氏は、ロシアのエネルギー部門について「自信を持っている」とした上で、世界のエネルギー市場の均衡が崩れれば価格が上昇し、米国を含む多くの国にとって不都合な事態になると指摘。特に米国の政治日程を踏まえると影響は大きくなるとした。
ロシア領内の奥深くまで攻撃できる射程の長いミサイルを巡る状況については「エスカレーションの試みだ」と指摘。「こうした兵器がロシアの領土を攻撃するために使用された場合、(ロシアによる)対応は極めて深刻なものになる」とし、「よく考えるべきだ」と警告した。
トランプ大統領は22日、ロシア領内の奥深くまで攻撃できる射程の長いミサイルをウクライナが使用することを米国が認めたとする米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道は虚偽だとして、否定している。
プーチン氏は米ロ首脳会談について、ハンガリーでの会談は米国側の提案だったとした上で、ロシアは「対話の継続を望む」とした。
トランプ大統領は22日、予定されていたプーチン大統領との首脳会談をキャンセルしたとし、外交努力が進展せず、時期が適切ではないと判断したと述べた。
プーチン氏は、トランプ大統領が会談の「延期」を意味した可能性が高いとみているという考えを示した。
ホワイトハウスのレビット報道官は、将来における米ロ首脳会談の可能性が完全になくなったわけではないとしつつも、トランプ氏は時間を有効に活用したいと考えていると指摘。「大統領と政権全体はいずれ会談が開催されることを望んでいるが、目に見える前向きな結果を得られるようにしたい」と述べた。
また、米国によるロシア石油大手2社に対する制裁を受け、中国の国営石油大手が海上輸送でのロシア産原油の購入を停止し、インドも同様の措置を取る方針というニュースに言及し、対ロ制裁は「かなり厳しい」とし、「全面的な圧力がかかるのは確実だ」と述べた。
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