米、イスラエルによるヨルダン川西岸併合容認せず、副大統領が改めて表明

イスラエルを訪問しているバンス米副大統領は23日、イスラエルによるヨルダン川西岸地区の併合を認めないとする米国の方針を改めて表明した。22日撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)

[テルアビブ 23日 ロイター] – イスラエルを訪問しているバンス米副大統領は23日、イスラエルによるヨルダン川西岸地区の併合を認めないとする米国の方針を改めて表明した。

イスラエル議会は前日、イスラエルの法律をヨルダン川西岸に適用する法案の承認に向けた第1回目の採決を行い、可決した。法案の成立には4回の採決で可決される必要があり、まだ第1段階ではあるものの、同法案はイスラエルによるヨルダン川西岸併合を意味する動きと受け止められている。バンス氏は記者団に対し、トランプ大統領はイスラエルによるヨルダン川西岸地区の併合に反対しており、イスラエルが併合することはないと言明。「ヨルダン川西岸はイスラエルに併合されない。トランプ大統領の方針は併合しないということだ。これが米国の方針だ」と述べた。イスラエル議会での動きについては、極めて愚かしい「政治パフォーマンス」に見えるとし、「個人的には侮辱と受け止める」と語った。

バンス氏の発言を受け、イスラエルのサール外相は、トランプ大統領のガザ和平に向けた計画が確実に成功するよう、イスラエル政府はヨルダン川西岸地区併合を巡る採決を前倒しすることは決定していないと述べた。

米国はパレスチナ自治区ガザでの停戦を定着させるための外交努力を続けており、バンス副大統領のほかルビオ国務長官らがイスラエルを訪問。ルビオ氏はこの日、イスラエル議会でヨルダン川西岸地区の併合に向けた法案の採決が実施されたことについて、トランプ大統領主導のガザ和平計画が脅かされるとの懸念を示した。

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