
米政府は22日、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表した。写真はアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで2日撮影(2025年 ロイター/Amr Alfiky)
[ワシントン 22日 ロイター] – 米政府は22日、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表した。トランプ政権がウクライナ関連で対ロ制裁を科すのは初めて。
財務省は、ロシアに対しウクライナでの即時停戦に応じるよう求め、一段の措置を講じる用意があると表明。ベセント財務長官は声明で「プーチン大統領がこの無意味な戦争を終わらせることを拒否していることから、財務省はロシアの戦争マシーンに資金を提供しているロシアの2大石油会社に制裁を科す」とし、同盟国にも制裁措置に同調するよう求めた。
同省は2社の子会社数十社にも制裁を発動し、対象企業の米国内資産を凍結するほか、米国人との取引を制限する。
対ロ制裁では、英国が先週にロスネフチとルクオイルに制裁を科したほか、欧州連合(EU)諸国も22日に対ロシア制裁の第19弾を承認した。 もっと見る
今回の制裁は、これまで制裁ではなく貿易措置でロシアに圧力をかけてきたトランプ大統領にとって大きな政策転換となる。米政権はロシア産原油を安価に購入してきたインドに追加関税を発動する一方、主要な購入国である中国にはロシア関連の関税を科していない。
トランプ氏は22日、予定されていたプーチン氏との首脳会談をキャンセルしたと表明。外交努力が進展せず、時期が適切ではないと判断したという。
また、ロシア石油大手への制裁措置が一時的なものになることを望むと述べた。
米政府の元高官でコロンビア大学の上級研究員エドワード・フィッシュマン氏は、制裁は「一度では終わらないだろう」とし、問題はロスネフチやルクオイルの取引企業に制裁を科すかどうかだと述べた。
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