オランダと中国、ネクスペリア問題を協議 解決に至らず

 10月21日、オランダのカレマンス経済相は、中国の王文濤商務相と、オランダに本社を置く中国系半導体メーカー、ネクスペリアを巡る対立について協議したが、解決策は見いだせなかった。独ハンブルクで2024年6月撮影(2025年 ロイター/Fabian Bimmer)

[アムステルダム 21日 ロイター] – オランダのカレマンス経済相は21日、中国の王文濤商務相と、オランダに本社を置く中国系半導体メーカー、ネクスペリアを巡る対立について協議したが、解決策は見いだせなかった。

オランダ政府は9月、経済安全保障上のリスクを理由に、中国企業傘下のネクスペリアの経営権を掌握。中国側は完成品の輸出を規制する形で対抗しており、同社製半導体に依存する欧州自動車メーカーの間に懸念が広がっている。

カレマンス氏は、全ての当事者に受け入れ可能な「解決に向けたさらなる措置」について協議したと述べた。

ただ、中国商務省は声明で、カレマンス氏の要請で協議したと表明。王氏が「国家安全保障」という概念を拡大解釈することに反対すると伝えたことを明らかにした。

同省は「オランダ側がネクスペリアに関して取った措置は、世界の産業とサプライチェーンの安定性に深刻な影響を与えている」とし「中国はオランダ側に対し、世界の産業とサプライチェーンの安全と安定を維持するという全体的な観点から行動するよう強く求める」とした。

ネクスペリアの半導体は高度な製品とはみなされていないものの、自動車や家電に大量に使用されている。大半の半導体は欧州で製造され、中国でパッケージングされている。

顧客の在庫がどの程度の期間もつのかは不明。

ドイツ自動車工業会(VDA)は21日、ネクスペリアを巡る中国とオランダの対立について、自動車生産に大きな混乱をもたらす恐れがあると警告。「供給中断が短期間で解消されなければ生産停止に至る恐れもある」と述べた。 もっと見る

ネクスペリアを巡る対立は、米国の対中関税引き上げや、中国のレアアース(希土類)輸出規制などとあわせて、欧州の自動車業界にとって供給網の新たなリスクとなっている。

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