
カナダのカーニー首相が10月7日のトランプ米大統領との会談で「キーストーンXL」パイプライン建設復活案を打診した。アルバータ州の同パイプライン建設現場で2021年2月撮影(2025年 ロイター/Todd Korol)
[カルガリー 8日 ロイター] – カナダのカーニー首相が7日のトランプ米大統領との会談で「キーストーンXL」パイプライン建設復活案を打診した。事情に詳しい関係者の話や、米CBSニュースの報道で8日明らかになった。
キーストーンXLは全長約1900キロで、カナダ・アルバータ州のオイルサンドから採取した原油を米南部オクラホマ州クッシングの貯蔵拠点やメキシコ湾岸の製油施設まで輸送する目的で、2008年にTCエナジーが提案した。
ただ環境汚染の懸念などからすぐに反対運動が広がり、オバマ政権が却下した後、第1次トランプ政権が復活を許可したものの、バイデン前政権が再び許可を取り消して建設は中止された。
トランプ氏は今年2月、建設を名乗り出る企業があれば許可すると表明し、計画復活を希望する姿勢を示している。
こうした中で関係者によると、カーニー氏はキーストーンXL計画が復活し、カナダ政府がこれを支援することに関心があるかとトランプ氏に質問し、トランプ氏の反応は前向きだったという。
カーニー氏は、米国がカナダに発動した鉄鋼や自動車、その他製品に対する高率の輸入関税への対処を迫られている。
ただバイデン前政権の許可取り消しで多額の損失を計上したTCエナジー(TRP.TO), opens new tabは昨年10月、原油パイプライン事業を分離し、同事業は新会社サウス・バウ(SOBO.TO), opens new tabとなった。
サウス・バウは今年2月、キーストーンXL計画から手を引いたとしている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.