米国株式市場=まちまち、堅調な決算受けダウは200ドル超高

米国株式市場はまちまち。一連の堅調な決算を受けて工業株や資本財株に買いが入り、ダウ工業株30種は小幅に上昇した。写真はニューヨーク証券取引所(NYSE)で4月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 21日 ロイター] – 米国株式市場はまちまち。一連の堅調な決算を受けて工業株や資本財株に買いが入り、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは小幅に上昇した。S&P総合500種(.SPX), opens new tabはほぼ横ばい。成長株とマイクロチップ株が軟調となり、ハイテク株中心のナスダック総合(.IXIC), opens new tabは小幅安で引けた。

シンプリファイ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、マイケル・グリーンは「市場はやや方向感のない局面にあり、誰もこれといって強い確信を持てていない。そうした状況が決算サプライズに対する反応の鈍さとして表れている」と語った。

第3・四半期決算シーズンが本格化し、ゼネラル・モーターズ(GM)、GEエアロスペース、スリーエム(3M)、コカ・コーラといった主要企業が総じて好調な決算を発表した。しかし、米主要株価指数は史上最高値近辺で推移し、バリュエーションも割高になっている状況では、好決算だけでは投資家のリスク選好を維持するには十分ではない可能性がある。

グリーン氏は「企業の利益率が引き続き若干上昇しており、利益は予想を上回っている。これは、企業が関税を転嫁するか、輸入業者に関税を負担させていることを示唆している」とし、「きょうは、市場のどこかで強い見方が示されているということはない」と述べた。

GM(GM.N), opens new tabは業績見通しを上方修正し、関税による影響が想定よりも小さくなるとした。株価は14.9%上昇した。飲料大手コカ・コーラ(KO.N), opens new tabは4.1%上昇。堅調な消費者需要を背景に第3・四半期の売上高と利益がともに市場予想を上回った。複合企業3M(MMM.N), opens new tabは7.7%高。利益率の高い製品とコスト管理に注力する中、通期見通しを上方修正した。航空宇宙・防衛関連企業のロッキード・マーチン(LMT.N), opens new tab、ノースロップ・グラマン(NOC.N), opens new tab、RTX(RTX.N), opens new tabはいずれも、軍事装備の堅調な需要に支援され業績予想を上方修正した。S&P1500航空宇宙・防衛指数(.SPCOMAED), opens new tabは1.9%上昇した。動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX.O), opens new tabは引け後の時間外取引で5.8%下落。第3・四半期の利益が市場予想を下回った。S&P500の主要11セクターでは一般消費財(.SPLRCD), opens new tabと工業(.SPLRCI), opens new tabが上げを主導。公益事業(.SPLRCU), opens new tabの下げが最大だった。メディア大手ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(WBD)(WBD.O), opens new tabは11%上昇。同社は21日、複数の買い手候補が関心を示したことを受け、自社の完全売却の可能性を検討していると発表した。その後、取引終盤に取締役会は、同業パラマウント・スカイダンスからの提案を拒否した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.27対1の比率で上回った。ナスダックでは1.11対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は197億3000万株。直近20営業日の平均は202億6000万株。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.