相次ぐ格下げを受けたフランス国債について、中央銀行の外貨準備資産運用者は保有を700億ユーロ(約12兆3400億円)減らす可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストが指摘した。
各国・地域の中央銀行の投資方針は性質的に不透明なため、この試算を額面通り受け取るには注意を要する。ただ、フランス国債はS&Pグローバル・レーティングが17日に格下げを発表したことで主要格付け3社の平均格付けが「AA」を下回り、安全性を最優先する運用者にとっては問題となる可能性がある。
フランス国債の約半数は外国人が保有する。中銀の準備資産運用者は大きな買い手で、ドイツ債よりも利回りが高く、イタリア債などのような激しい値動きに見舞われることが少ないフランス債は長年選好されてきた。
だが、予算案を巡る政治的な混乱が深まるにつれ、格付け会社だけでなく投資家もフランスについて再考し始めた。

欧州金利調査責任者スフィア・サリム氏らBofAのチームは「投資家層について主に懸念しているのは、大規模な外国人保有者だ」とし、フランスとドイツの10年債利回りは現在の約79ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から80-85bpへと拡大すると予想した。
フランスのルコルニュ首相は、分裂した議会で予算案を通過させようと奔走している。先週は首相不信任投票を乗り切り、フランスの金融市場を押し上げた。だが、支持を取り付ける代償として主要な年金改革の停止に合意し、それが格付け会社を不安にさせた。
BofAによれば、世界銀行が2023年に実施した準備資産運用者向け調査で、保有国債に求める最低限の格付けを「AA+/AA/AA-」と回答した運用者は14%に上った。同行はこれに基づき、今回の試算を行ったとしている。準備資産運用者が保有するフランス国債は総額約5000億ユーロに上るとみられるため、これを14%に当てはめると約700億ユーロ相当のフランス国債が放出されることになる。
BofAのチームは、格付けが基準を下回ったからと言って大多数の準備資産運用者は自動的に即時売却するわけではないだろうとみている。可能性が高いのは段階的なリバランスで、満期を迎えた債券の償還金を新たなフランス国債に再投資しないなど、時間をかけた措置を選ぶだろうとの見方を示した。

原題:BofA Says Reserve Managers May Cut French Bonds by €70 Billion(抜粋)
— 取材協力 Phil Kuntz

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