掲載日

2025年10月21日

2015年、2000年代初頭の経済危機の余波がなお小売業に色濃く残るなか、アイルランドの低価格ファッションブランド、プライマークは、それまで主な出店先としてきたスペインのショッピングセンターから一歩外へ踏み出し、マドリードのグラン・ビア32番地に新店舗を構えました。そこは、かつてスペインで先駆的な存在だったマドリード=パリス百貨店が入居していた、築1世紀超の歴史的建物です。開店から数カ月にわたり、入店待ちの長い行列ができるほどの賑わいとなりました。あれから10年、プライマークはこの店舗が都市と経済にもたらした影響を検証しています。

マドリードのグラン・ビアにあるプライマークの店内マドリードのグラン・ビアにあるプライマークの店内 – Primark

今週火曜日、10月21日、スペインにおける同チェーンの旗艦店兼オフィスが入るこの建物で、プライマークは経済コンサルティング会社Afiが作成した「マドリードの中心での10年」と題する報告書を発表しました。その分析によれば、2024年において、延べ12,500平方メートルを誇るグラン・ビア店は記録的なインパクトを達成し、国内総生産(GDP)に8,300万ユーロを寄与(自社の直接的な事業運営やサプライチェーンの活動などを含む)するとともに、税金および社会保険料としてさらに4,200万ユーロを創出しました。さらに、この旗艦店は年間500万件超の取引を記録し、2024年には1,060人を直接雇用しました。

グラン・ビア32番地の店舗にとどまらず、プライマークの貢献は、マドリードの労働市場において直接雇用1人あたり0.4人の間接・誘発雇用を生み出しています。さらに、Afiの報告書によれば、同ブランドの事業活動によって生み出される価値1ユーロにつき、他の企業や業種がマドリード経済に追加で0.5ユーロをもたらしています。

同社はまた、首都の商業中枢であるグラン・ビア全体に及ぶ「ハロー効果」にも言及しています。プライマークの開店以降、すなわち2015年から2025年までの間に、小売店の数は101から186へ、レストランは46から90へと増加しました。

「10年前、ここに出店すると決めたとき、私たちは違いを生み出し、ブランドへの認識を変えて高めたいと考えていました。スペインの消費者にメッセージを届けることに成功し、グラン・ビアの活力向上にも寄与できました。この店舗は売上規模と取引件数でイベリア地域をリードしており、私たち自身のブランドをも変えてくれました」と、プライマーク・イベリアのマネージングディレクター、Carlos Inácio氏は報告書発表の席で述べました。

この分析の主要指標はラウンドテーブル形式の討議でも明らかにされ、AfiのマネージングパートナーであるDiego Vizcaíno氏も登壇しました。同氏は、この店舗の開業が「都市全体、そしてプライマークと取引する企業にとっての挑戦だった」と強調し、「マドリードの小売の構造の進化にとっての挑戦であり、競合もサプライヤーも水準を引き上げる必要がありました」と付け加えました。

マドリードのグラン・ビアにあるプライマーク店舗のファサードマドリードのグラン・ビアにあるプライマーク店舗のファサード – Primark

このグラン・ビア店は眠りを知りません。すべての時間が販売時間というわけではないものの、週7日24時間体制で稼働しています。「商品の補充を担う夜勤のスタッフにとっては、毎日、新しい店舗を一から立ち上げるようなものです」と、討議に参加したプライマークのピープル&カルチャー・ディレクター、Juana Rodero氏は語りました。同店に商品を供給するため、毎年1,500台のトラックの荷下ろしが行われ、これは約5万時間の荷下ろし作業、そして100万箱超に相当します。

「この10年を定義する言葉は『トランスフォーメーション(変革)』だと思います」とInácio氏は締めくくりました。「私たちはここに進出し、トレンドをつくってきました。課題は、その歩みを維持することです。私たちには、成長を続けるダイナミックでインクルーシブなビジネスを築き続ける責任があります」。同氏はまた、プライマークの将来戦略を語る際に必ず浮上する問い、すなわち、これまで通りオフライン(実店舗)チャネルに注力し続けるのか、それともオンライン販売へ踏み出すのかという点にも言及。「何も排除していません。私たちがしているのは、各チャネルを研究・分析し、確実に機能すると判断できたときに導入することです。現在、英国では『クリック&コレクト』を提供しており、このモデルの収益性を検証し、スペイン(当社にとって2番目に大きな市場)を含む他地域へ展開可能かどうかを検討しています」。

2006年からスペインで事業を展開しているプライマークは、国内に67店舗、延べ25万平方メートルの売り場面積を有し、1万人以上を雇用しています。「来年で同国進出から20年を迎え、盛大に祝う予定です」と、イベリア統括のInácio氏は述べました。

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