EU通商担当、中国商務相と電話会談 希土類輸出規制巡り協議へ

欧州委員会のシェフチョビッチ委員(通商・経済安全保障担当)は21日、中国の王文濤商務相に対し、近日中にもブリュッセルを訪問するよう招待したと明らかにした。写真は写真は江西省南城県のレアアース鉱山で働く作業員。2011年1月撮影(2025年 ロイター/Stringer)

[ブリュッセル 21日 ロイター] – 欧州委員会のシェフチョビッチ委員(通商・経済安全保障担当)は21日、中国の王文濤商務相に対し、近日中にもブリュッセルを訪問するよう招待したと明らかにした。中国のレアアース(希土類)輸出規制強化を巡る「緊急の解決策」を探るためとした。

シェフチョビッチ氏は王氏との約2時間にわたる電話会談後の記者会見で「王氏が招待を受け入れたため、われわれのチームは7月に開かれた欧州連合(EU)・中国首脳会談後に強化された輸出管理対話に基づき取り組んでいく」と言及。

EUは状況をエスカレートさせる意図はないものの、この状況はEUと中国の関係に影を落としており、迅速な解決が不可欠との考えを示した。

また、規制強化は不当かつ有害だとした一方で、王氏との電話会談は建設的であり、双方が接触を強化することで合意したと述べた。

さらにシェフチョビッチ氏は、オランダ政府が今月、管理下に置くことを発表した、自動車・家電業界向け半導体企業ネクスペリアを巡り、オランダとも連絡を取っていると説明。双方が事態の沈静化と実質的な合意に向けて取り組むことを改めて確認したと述べた。

オランダ政府は、ネクスペリアを管理下に置いた理由として、親会社の中国企業、聞泰科技(ウィングテック)が重要技術を移転している可能性があるためとしている。 もっと見る

こうした中、中国商務省は声明で、王商務相はシェフチョビッチ委員との電話会談で、ネクスペリアを巡る対立の早期解決に向け、EUがオランダに適切な解決策を提示するよう促すことを期待していると伝えたと述べた。

声明によると、王氏は中国のレアアース輸出規制について、中国は世界の産業サプライチェーン(供給網)の安全・安定の維持に尽力しており、EU企業の承認手続きを常に促進してきたと説明。

両氏がEUによる中国製電気自動車(EV)への関税などの問題についても協議し、近くブリュッセルで新たな協議を開催することで合意したと同省は述べた。

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