〔展覧会概要〕

當麻妙は東京郊外、沖縄、鳥取と移り住み、土地の風景を撮影してきた写真家である。

常にここが自分の場所であるという感覚はなく仮に暮らしているような気持ちのまま、少し引いた視点でその土地の姿を写し取ってきた。

今回の展示は鳥取に暮らすようになってから撮影された作品で構成される。

タイトルを英語表記するのは、過去の作品「Tamagawa」「KUDAKA」同様地名のもつ固有のイメージを薄める効果があり、少し引いたところからみつめた景色であることを示すためである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私的な領域が公的なものと認識され、地方の風景を構築している。

生きている里は、動植物と人の営みが共存している場所であり、動植物が凌駕していくのは人が去った場所である。

ふと目に入る景色は、あらゆる境界を暗黙のなかに許容し、そこに存在している。

鳥取に暮らすようになり、景色のなかに潜むさまざまな境界を発見する。

特に山と里の間、その奥にある、表面からは伺いしれない生と死。

昔から生と死が近い場所。鳥取の風景を撮影しながら、これからも継続して境界の姿をみつめていく。

− 當麻 妙

〔プロフィール〕

當麻妙 / TOMA Tae

東京都出身。写真誌編集プロダクションを経て、フリーの写真家として活動。

写真展・写真集を通じて作品を発表するとともに、エディトリアル、広告等で写真を提供。

沖縄に拠点を移し、10年に亘り南島の風景を撮影。

2021年に鳥取へ移住し、現在、山陰の風景写真を制作。

2020年-2021年、二十四節気それぞれの季節の風景をテーマにした「二十四節気ことのはノート」を『天然生活web』にて連載(写真担当)

2023年、「神奈川県美術展」写真部門にて特選受賞。

〔トークイベント〕

2025年11月2日(日)17:00〜18:00まで作家・當麻妙とタカザワケンジによるトークイベントを開催いたします。

※会場準備等のため当日は16:45からトーク終了後まで展覧会のご鑑賞が難しくなりますこと、あらかじめご了承ください。

◉登壇者プロフィール

タカザワケンジ / TAKAZAWA Kenji

1968年 群馬県出身。

写真評論、文芸書評、インタビューほか。『Study of PHOTO 』(ビー・エヌ・エヌ新社)日本語版監修。金村修との共著『挑発する写真史』(平凡社)ほか。

多摩美術大学、京都芸術大学ほかで非常勤講師を務める。IG Photo Galleryディレクター。

WACOCA: People, Life, Style.