EU、エタノールの「発がん性物質」指定検討 手指消毒に影響=FT

 10月21日、欧州連合(EU)は、手指消毒剤に広く使用されているエタノールを「発がんリスクのある危険物質」に分類することを検討している。写真は、スペイン・バスク地方の町アスペイティアの住民に手指消毒剤を使用する医療チーム。2020年8月撮影(2025年 ロイター/Vincent West)

[21日 ロイター] – 欧州連合(EU)は、手指消毒剤に広く使用されているエタノールを「発がんリスクのある危険物質」に分類することを検討している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が21日報じた。

欧州化学品庁(ECHA)の作業部会の1つが10月10日にまとめた内部勧告で、エタノールは、がんや妊娠合併症のリスクを高める有害物質であり、洗浄製品などでは他の物質を使うべきだとの見解を示した。

11月25─28日にECHAの殺生物性製品委員会が開催される。

FTによると、ECHAは、専門家委員会がエタノールを発がん性物質と結論づけた場合、代替物質の使用を勧告することになると述べた。最終的な決定は欧州委員会が下す。

同機関はFTに「予想される曝露レベルに照らして使用が安全とみなされる場合や、他に代替手段がない場合は、引き続きエタノールを消毒剤として承認する可能性がある」と説明。現時点で決定は下されていないと強調した。

世界保健機関(WHO)は、手指の衛生用にエタノールとイソプロパノールを安全に使用できるとしている。

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