イギリストラックチームのバイク開発をサポートしてきた「Renishaw(レニショー)」社。
イギリス自転車競技連盟は2025年10月14日、Renishaw社とのパートナーシップを『ロサンゼルス2028オリンピック』まで延長することを発表した。
British Cycling 公式リリース(2024年10月14日)
「Renishaw」って?
「Renishaw」社は、精密測定とヘルスケア技術を専門とする工学・科学技術企業。イギリスに本社を置きながら、世界各国で事業を展開している。
『東京2020オリンピック』前よりイギリスチームのトラックバイク開発に従事しているRenishaw社だが、今回の契約延長で、東京・パリ・LAのオリンピックサイクル3期にわたってイギリスチームをサポートすることとなった。
パリ五輪仕様のバイクにてRenishaw社が担った大きなパーツは2つ。
3Dプリントで製造されたチタン製クランク。
そして従来では見られなかった2股に分かれるエアロシートポストだ。
その他、金属積層造形などの高度な製造技術で、細かなパーツもイギリスチームのために開発・供給してきた。
「既存設計の微調整ではない」
Renishaw and British Cycling crank up preparations for LA 2028 Summer Games – https://t.co/5NLRB4xO97 pic.twitter.com/PTNoIPstF7
— Engineering Update (@Engupdate) October 15, 2025
イギリスチームとともにLA五輪へ照準を合わせたRenishaw社。
今回のリリース文の節々からは、LA五輪に向けたバイク開発をさらに刷新していく意向が窺える。
リリース内からいくつか抜粋して紹介する。
「既存の設計を微調整するだけではなく、新たなアイディアに挑戦し、形状や機能を実験し、エンジニアリングによってイギリス自転車競技チームが再びいかに前進できるのか、その方法を模索していきます」
「Renishaw社はLAに照準を移し、今後3年間で研究・試作・改良に取り組みます。研究段階の後、新パーツの試作の少量生産を繰り返し、厳密なテストを行なっていきます。これにより迅速な反復開発が可能になり、すべてのパーツが求められた性能を満たし、競技レベルにおける均一性と信頼性を確保します」
各国の技術革新に要注目
『ロサンゼルス2028オリンピック』まで3年を切った『2025世界選手権トラック』直前の発表となったイギリスチームとRenishaw社の契約継続。
Renishaw社はパリ五輪以降も、マシュー・リチャードソンらによる世界記録更新の挑戦のため、ドロップハンドルなどの新パーツを導入してきた。
機材面についてはUCIによる「価格上限」の設定など新たな制限も今後設けられる予定だが、イギリスを含め各国がそうした制限のなかでどんな“最良のバイク”を生み出していくのか、今後も注目していきたい。
なお、東京・パリの2つのオリンピックでRenishaw社とともにイギリスチームのバイク開発を担ってきた「Lotus Engineering」と「Hope Technology」の2社による契約継続については、2025年10月17日現在、まだ発表されていない。
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