街中でも注目 イギリス国内外から熱心なファンも

フィンランドから駆けつけた(左から)マリオッカさんとジリさん【写真:Hint-Pot編集部】フィンランドから駆けつけた(左から)マリオッカさんとジリさん【写真:Hint-Pot編集部】

 力士たちをひとめ見ようと、会場周辺には開場前から多くの人々が集まり、大きな熱気に包まれていました。

 フィンランドから訪れたジリさんとマリオッカさんは、2023年にテレビで相撲を初めて観て以来のファンだといいます。今回はこのロンドン公演のために、わざわざフィンランドから渡英。4日間の滞在中、2日間にわたって公演を観戦する予定だそうです。

「チケット発売初日に購入して来たんだ。日本で本場所をやっている時間帯は、フィンランドだと真夜中。次の日、仕事が休みの日は徹夜で観ているよ(笑)。まだ日本には行ったことないから、ぜひ行ってみたいね」

 ジリさんは、相撲への情熱を熱く語ってくれました。2023年に相撲をテレビで観た際に「超クール」と感じ、それ以来すっかり虜になったそうです。

ニューキャッスルから来たヘレンさん 【写真:Hint-Pot編集部】ニューキャッスルから来たヘレンさん 【写真:Hint-Pot編集部】

 また、イギリス北東部に位置するニューキャッスルから訪れたヘレンさんは、父親がテレビで相撲を観ているのに影響され、5年ほど前からファンになったといいます。今回は友人を誘って、ニューキャッスルから約5時間かけてロンドンへ。会場から外へ、偶然出てきた翔猿関との写真撮影に成功しました。

「始まる前だけど、何かあるかなと思って会場に来てみたの。そうしたら翔猿関がいて! 大好きな力士のひとりだから本当にうれしい! まさか一緒に写真を撮れるなんて、興奮が冷めやらない! まだ日本には行ったことないから、本当に行きたい。国技館で生の相撲を観たいわ」

 会場内は「満員御礼」の垂れ幕が掲げられるほどの盛況ぶり。取組前には横綱の土俵入りなども行われ、地元の観客からの「よいしょ!」のかけ声が、場内に響き渡りました。熱気に包まれたロイヤル・アルバート・ホールでは、拍手と歓声が絶えず送られています。

 実際に、生の相撲を初めて目にした観客もいました。ブリストルから訪れたピーターさんは、長年の相撲ファンであるパートナーの影響でこの日、初めて観戦したといいます。

「とてもエキサイティングだし、スリリングだね。ひとつの取組がもっと長いと思っていたんだけど、驚くほど短い。このロイヤル・アルバート・ホールに、文化的にも価値のある相撲を迎えられるのはアメージング!」

 初めて相撲を観た人も、長年のファンも、それぞれの視点から大相撲の魅力を再発見していました。

 34年ぶりのロンドン公演は、力士たちの真剣勝負と観客の熱気がひとつになった舞台となっています。日本の伝統文化の力を、国境を越えて改めて実感させる瞬間でもありました。

(Hint-Pot編集部)

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