「日本が前半のうちに複数のゴールを奪い、危なげなく勝ってしかるべき試合。最大の敗因は、決めるべき時に決められなかったこと」
「日本は中4日、フランスは中2日の試合。条件としては、日本が圧倒的に有利だった。しかし、フランスのグループステージ(GS)最終戦の相手は(戦力に大差がある)ニューカレドニアで、あまり無理をしていない。体力を温存できていたようだ」
「前半26分に船越勇蔵監督がチャレンジしたプレーは、PKだったと思う。でも延長後半、フランスに与えられたPKは正当。とはいえ、あの状況でハンドを取られた梅木怜は責められない」
ADVERTISEMENT
ブラジル代表相手の初勝利の陰に隠れているが――U-20W杯の冒険は、4試合で終わりを告げた。ブラジルメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者は試合前、若きサムライブルーがグループステージ(GS)を3戦全勝、得失点差7という参加24カ国中最高の成績で突破したにもかかわらず、楽観視していなかった。
「あらゆる年代の世界大会で、日本は決勝トーナメントに入ってからプレー内容が急低下することが少なくない」
図らずも、この懸念が的中。U-20W杯のラウンド16で、日本はフランスに延長の末に0-1で敗れた。改めてこの大会を振り返る。
日本の積年の課題をこの大会でも…
――日本の先発メンバーは、中盤に布施克真の代わりに小倉幸成が入った以外はGS初戦と同じ。ただし、あなたはCFに神田奏真ではなく高岡伶颯を望んでいた。
「GSで神田は2試合で先発し、1試合で途中出場したが、決定的な仕事はできなかった。一方、高岡は1試合に先発して残り2試合に途中出場。より精力的に動いて決定機を作り、プレー内容は神田より優れていた。ただし、4試合で7得点を記録したチームにあって、結果的に2人のCFは1点も取れなかった。ストライカー不足、という日本のフットボールの積年の課題をこの大会でも繰り返してしまった」
――前半20分以降、日本は佐藤龍之介、斎藤俊輔、石井久継、神田らが惜しいシュートを連発した。しかし、フランスのGKリサンドル・オルメッタの好守に防がれた。オルメッタが防ぎ切れないときは、ゴールのバーやポストが日本の得点を阻んだ。
「日本が少ないタッチでタイミング良くパスを回し、時には果敢にドリブル突破を挑んでフランス守備陣を何度も崩したことは、高く評価したい。ただし、あれだけのチャンスをことごとく外したのは非常に残念」

WACOCA: People, Life, Style.