物価高騰の波は、市民や観光客の「足」であるタクシーにも押し寄せています。石川県全域で、タクシーの初乗り運賃が早ければ2026年3月をめどに3年ぶりに値上げされる見通しとなりました。
【写真を見る】「初乗り600円⇒700円」石川県内のタクシー運賃改定 2026年3月にも 金沢駅〜兼六園は1,800円に「致し方ない」ドライバーと利用客の複雑な本音
■金沢市周辺は「初乗り600円⇒700円」加算運賃も改定
金沢市とその周辺の5つの市町では、初乗り運賃がこれまでの600円から700円に。また、距離に応じて増える加算運賃は、これまでの「263mで100円」だったのが、「221mで100円」に改定される見通しです。この改定により、例えば金沢駅から兼六園までタクシーを利用した場合、現在の1500円が1800円になる計算です。
この運賃値上げについて、街の人からは様々な声が聞かれます。
旅行客「(値上げは)しないほうがいい、その方が来やすい」
「母と一緒なので、なるべく散策するのに疲れないようにと思って(利用する)」
一方、タクシードライバーからは、運賃値上げに複雑な声も。
タクシードライバー「(給料アップに)期待はしたいが、それで売り上げが下がれば一緒」「若い人にとっては上がったほうが良いと思う」
■全国的な物価高騰が背景、2026年3月にも値上げへ
料金の改定には、県内全域のタクシー事業者の車の台数の半分以上の申請が必要とされます。10月16日時点で、半数を上回る県内の12の事業者から申請があり、運輸局が運賃改定に向けた手続きを開始しました。早ければ2026年3月にも値上げとなる見通しです。
県内最多244台のタクシーを保有する冨士タクシーの社長で、県タクシー協会の会長も務める塚本泰央さんは、値上げは全国的な流れだと話します。
石川県タクシー協会・塚本泰央会長「最低賃金が年々上昇していることと、車両価格・燃料価格含めて上昇の一途をたどっているところが大きな要因」「一人の客に対して、一人のドライバーがサービスを行うというような乗り物。人件費の上昇がそのまま利用者のサービスに転嫁されるというのは致し方ない」
金沢市周辺では需要が高いタクシーですが、需要が少ない地域では値上げだけで解決できない問題もあるといいます。
石川県タクシー協会・塚本泰央会長「人口減少が進み、観光客もまだ行けない状態にある中で、移動需要はなかなか確保できない」「需要がないのに上げても、結局収入がないのは変わらないという考え方もある。一概に値上げだけで全てが解決できるわけではない」
塚本会長は、値上げの波に対抗するには他にも工夫が必要だと話します。例えば、電話での予約だけでなく、配車アプリを使えば人件費の抑制につながります。
様々なモノの値上がりは、従来のやり方を変えていくきっかけになるかもしれません。
北陸放送

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