イタリア、財政目標超える成果で好循環に入ると評価=IMF幹部

国際通貨基金(IMF)のアルフレッド・カマー欧州局長はイタリアの財政運営について、赤字削減の目標を超える成果を上げて好循環に入りつつあると評価した。写真は2016年10月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 17日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)のアルフレッド・カマー欧州局長はイタリアの財政運営について、赤字削減の目標を超える成果を上げて好循環に入りつつあると評価した。それでもイタリアは成長を加速するための構造改革が必要だと指摘した。

イタリアの財政赤字は昨年、国内総生産(GDP)に対する比率が3.4%となり、2021年の8.9%から低下した。財政赤字の対GDP比は26年には2.9%に下がる見通しだ。

カマー氏はロイターに「欧州連合(EU)の規則に関してイタリアは実際、目標を上回る成果を上げている」と述べた。

同氏は、財政目標を上回ることにより国債利回りのスプレッドが縮小して金利が下がり、それによって民間部門の投資と成長のための借り入れが勢い付き、税収の増加につながって財政再建の追い風となるため、好循環に突入することになると説明した。

10年物イタリア国債のドイツ国債に対するスプレッドは足下で80ベーシスポイント(bp)となり、2022年半ばの約250bpから大きく縮小した。

カマー氏は「財政の持続可能性が疑問視される状況ではコストが極めて高くなることを、イタリアの政策決定者は非常によく理解している」と指摘。「イタリアの多様な政府は、それが疑問視されない状況を確保することに重点的に取り組んできたと思う」と付け加えた。

だが、イタリアの経済成長率は23年以降、0.7%近辺と低調にとどまっており、財政赤字の削減にもかかわらず公的債務の対GDP比は137%程度に若干上昇している。

カマー氏は「こうした状況下で成長を加速させることは常に困難であり、それはイタリアにとっては、国内で構造改革の取り組みを断行する必要があることを意味する。それによって配当が提供されるだろう」と話した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

Jan Strupczewski

Jan is the Deputy Bureau Chief for France and Benelux, running the Reuters office in Brussels. He has been covering European Union policy, focusing on economics, since 2005 after a five year assignment in Stockholm where he covered tech and telecoms stocks, the central bank and general news. Jan joined Reuters in 1993 in Warsaw from the main Polish TV news programme “Wiadomosci”, where he was a reporter and anchor for the morning news edition. Jan won the Reuters Journalist of the Year award in 2007 in the Scoop of the Year category, a second time in 2010 for his coverage of the euro zone sovereign debt crisis and for the third time in 2011, this time as part of the Brussels team, for the Story of the Year. A Polish national, Jan graduated from Warsaw University with a Master’s in English literature. He is a keen sailor, photographer and bushcraft enthusiast.

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version