(CNN) トランプ米大統領は現在の戦線での戦闘凍結を改めて呼び掛けたものの、ロシア軍は依然、ウクライナの長大な前線の複数の部分で前進を続けている。
トランプ氏は18日、首都ワシントンでウクライナのゼレンスキー大統領と会談後、双方とも「今の位置で停止すべきだ」とSNSで呼び掛けた。
だが、ロシア軍は冬入りする前に戦果を固めようとしているようだ。ウクライナ軍によると、ロシア軍は18日、過去最多となる268発の誘導航空爆弾を使用。ここ数週間の平均だった1日170~180発を上回った。これらの爆弾は最大搭載重量が1500キロに上り、主に前線付近のウクライナ軍やインフラを標的としている。
ロシア軍はまた、ウクライナ各地の標的、特にエネルギーインフラに対してドローン(無人機)やミサイルによる夜間攻撃を続けている。9月には、毎晩平均180機以上の無人機が発射され、年初の2倍を超える数になった。
ウクライナ側は最近、このうち約20%を迎撃できていないことを認めている。
ポクロフスク付近での戦闘任務を終え、第152独立猟兵旅団の砲兵たちが車に乗り込む様子=10月15日/Anatolii Stepanov/Reuters
専門家からは、ロシア政府には妥協する動機がないとの声も上がる。
長年ロシアアナリストを務めるダラ・マシコット氏はフォーリン・アフェアーズ誌で、「ロシアはウクライナ兵の発見・殺害や、ウクライナの資産の破壊にドローンを利用する新たな手法を開発した。かつて弱みだった領域を強みに変えている」と指摘。「より高性能なミサイル、より堅牢で能力の高い装甲システムを開発し、下級指揮官により多くの裁量を与えている」とも付け加えた。
ウクライナへの圧力が強まっている地域の一つが、北部ハルキウ州の町クピャンスクだ。ロシア軍は1年以上包囲状態にあるこの町の北と東に進軍している。
ロシアの著名ブロガー「ウォー・ゴンゾ」はテレグラムで、クピャンスク中心部でも戦闘が起きていると指摘。ウクライナ軍は17日、約80人のロシア兵が町内に侵入したことを認め、ウクライナの守備隊は「ロシアの侵略者をクピャンスクから排除し、敵歩兵の集結を防ぐべく手を尽くしている」と説明した。
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