ベセント米財務長官は、中国の国家主導の経済政策運営に対しより厳しい姿勢を取るよう、IMFと世銀に要請した。10月15日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno/File Photo)
[ワシントン 17日 ロイター] – ベセント米財務長官は17日、中国の国家主導の経済政策運営に対しより厳しい姿勢を取るよう、国際通貨基金(IMF)と世界銀行に要請した。
ベセント長官はIMF運営委に宛てた声明で、IMFは「客観性と公平性」をもって各国の監視活動を強化し、世銀は中国への支援を停止し、より支援を必要とする国々に資金を振り向けるべきという認識を示した。
さらに「IMFは難しい質問をためらわず、内部および外部の不均衡をより明確に指摘すべきだ」とし、「中国などの大国の産業政策が不均衡にどのように寄与しているかについて理解を深め、潜在的に有害な波及効果を説明し、適切な是正措置を勧告すべき」と述べた。
ベセント氏はまた、重債務を抱える途上国の債務再編交渉においてIMFが「頑なな債権者をあまりにも簡単に許した」と批判し、暗に中国に言及。世界最大の二国間融資国である中国は、当初、国際開発金融機関も損失を負担すべきと主張し、チャド、ザンビア、スリランカの債務再編を遅らせた。
ベセント氏は中国を直接名指しはしなかったものの、こうした状況により債務国の流動性と経済的ストレスが悪化したと述べた。「加盟国の中に流動性ストレスを悪化させている債権国が存在する限り、IMFプログラムは効果を発揮できない。IMFの資金は、誤った投資に出て損失を被ることを拒否した債権国への返済のための貯金箱とみなされるべきではない」とした。
世銀に対しては、各国を援助から自立させるための「卒業」政策にもっと重点を置くべきだとの見解を表明。「これには中国への支援を終了し、開発ニーズが最も深刻な国々に職員と管理資源を移すことを含むべきだ」と述べた。
また、世銀のプロジェクト調達活動においても中国を批判。世銀に対し「国有企業による反競争的な調達慣行を抑制」し、「商業ベースで運営されていない」国有企業を禁止するよう求めた。
さらに、中国がレアアース(希土類)や重要鉱物のサプライチェーンを掌握していることを踏まえ、世銀に対しこの分野への融資を増やすことも求めた。
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