相撲ファンのイギリス人、トムさん【写真:Hint-Pot編集部】相撲ファンのイギリス人、トムさん【写真:Hint-Pot編集部】

 日本の伝統文化が世界中で関心を集めるなか、1500年以上の歴史を誇る大相撲も、海外で熱狂的な支持を得ています。34年ぶりに開催された、大相撲ロンドン公演。初日を観戦したロンドン出身の男性は、翌日に行われた相撲イベントにも参加し、その魅力にすっかり引き込まれたといいます。いったい、どんな力士に夢中になっているのでしょうか。

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34年ぶりのロンドン公演に駆けつけた熱心なファン

 ロンドン出身のトムさんは、10月15日に開幕した大相撲ロンドン公演の初日を観戦しました。翌日には、ロンドン市内で開催された、横綱・大の里関が出席するイベントにも参加。一般客も観覧できるこのイベントには、多くの地元相撲ファンが集まりました。

 トムさんが相撲ファンになったきっかけは、昨年の5月場所。当時まだ小結だった大の里関が初優勝を果たした取組をテレビで観戦し、トムさんはその瞬間から「すっかり大の里のファンになってしまったんだ」と振り返りました。

 その後、初めて東京を訪れましたが、残念ながら滞在中に本場所は開催されておらず、相撲部屋の見学に足を運んだといいます。

間近で感じた横綱の品格

 念願だったロンドン公演のチケット入手は、簡単ではありませんでした。

「チケットは初日の分しか取れなかった。でもすごくいい席で、たくさんの力士を間近に見られたし、大の里関からはサインももらえたんだ」

 会場となった、150年の歴史を誇るロイヤル・アルバート・ホールは、大きな歓声と熱気に包まれていました。

「人がすごく入っていたし、盛り上がっていて、日本とは違う気持ち良さがあった。塩をまいたときと、土俵入りの四股を踏んだときの歓声がすごいなと感じた」と、大の里関が振り返ったほど。ロンドンでは道行く人に写真をねだられたり、注目を浴びたりと、海外での相撲人気を実感したようです。

 昨年の東京訪問を通じて、トムさんは相撲への理解をさらに深めたといいます。

「相撲というのは、スポーツを超えた日本の文化の象徴。相撲がもっと国際的なものになればいいのになって感じる。今日のイベントでも、大の里関の横綱としての品格や言動に、とても感銘を受けたよ。

 日本では食や文化、そして人々がとても良くしてくれたから、ロンドンに来た力士たちや日本の人たちも、同じように感じてもらえるとうれしいなって思うよ」

 国境を越えて広がる、相撲への情熱。トムさんには、いつか日本の国技館で本場の大相撲を楽しんでほしいですね。

(Hint-Pot編集部)

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