16日の欧州債券市場は、フランスのルコルニュ首相が不信任投票を乗り切ったことで、苦境にある政府が近く予算案を可決できるとの楽観論が広がり、フランス債が買われた。フランスとドイツの10年物国債利回り格差は2カ月ぶりの低水準に縮小した。

  フランス10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.32%と、8月中旬以来の低水準を付けたが、その後、前日からほぼ横ばいで取引を終えた。フランスの10年債利回りは今週15bp低下しており、2024年3月以来の最大の下落幅となる見込みだ。

  フランス債とドイツ債も利回り差(スプレッド)は76bpまで縮小し、8月下旬以来の水準となった。

  イタリア債も上昇した。政府が今後数年間で国内銀行が40億ユーロ(約7000億円)以上を予算に拠出すると見込みだと発表したことが追い風となった。イタリア10年債利回りは、2bp低下し3.36%となった。

  英2年債利回りは、5bp低下して3.86%で取引を終えた。

  株も上昇した。フランスの政局に加え、ネスレ株の上昇も押し上げ要因となった。

  ストックス欧州600指数は、0.7%上昇し取引を終えた。フランスのCAC40種指数は1.4%高だった。ネスレ株は、フィリップ・ナブラティル最高経営責任者(CEO)が1万6000人の人員削減計画を明らかにしたことが好感され、9%以上急騰した。

10月16日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)株終値前営業日比変化率ストックス欧州株600571.66+3.89+0.69%英FT1009,436.09+11.34+0.12%独DAX24,272.19+90.82+0.38%仏CAC408,188.59+111.59+1.38%債券直近利回り前営業日比独国債2年物1.91%-0.01独国債10年物2.57%0.00英国債10年物4.50%-0.04

原題:French Debt Supported by Budget Expectations: End-of-Day Curves、European Stocks Rise With French Politics in Focus; Nestle Jumps(抜粋)

— 取材協力 Julien Ponthus

これはブルームバーグ・オートメーションを利用して作成した記事です。

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