日本代表にとって歴史的初勝利となったブラジル戦。両チームの視点とともに、パラグアイ戦を含めた10月の2試合を、日本通のブラジル人記者に振り返ってもらった。〈NumberWebレポート:全3回。第1回からつづく〉

採点:MVPはイトウの7.5。じつはドウアンも…

――日本から見て劇的な逆転勝利を飾ったブラジル戦、日本選手の採点をお願いします。まずはGKと最終ラインから。

「鈴木彩艶は、2失点には直接責任がない。難しい守備を求められる場面は少なかったが、やるべき仕事はしっかりこなした。6.0点。続いてDFの渡辺剛は、ブラジルの2点目を挙げたマルチネッリへのマークが遅れたが、それ以外はまずまずなので、6.0点。谷口彰悟は、ブラジルの1点目ではカバーリングができず、他にも小さなミスがあったので5.5点。鈴木淳之介は、左サイドで前半はルイス・エンリケ、後半はエステバンを見事に止めた。6.5点」

――ボランチはどうでしょうか?

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「佐野海舟は守備で奮闘したが、パラグアイ戦ほどではなかった。6.0点。鎌田大地は前半こそあまり試合に絡めていなかったが、後半は効果的なパスで貢献した。6.5点。後半途中から入った田中碧は豊富な運動量を発揮し、攻撃にも加わったので6.5点」

――ウイングバックは?

「右の堂安律は攻守両面で貢献し、日本の2点目に関与した。7.0点。左の中村敬斗は、ドリブル突破から精度の高いクロスを入れ、得点も決めた。6.5点。左に入った相馬勇紀は、20分足らずの出場ながら懸命に走り、とりわけ守備面で貢献した。6.5点。試合終盤に右に入った望月ヘンリー海輝はプレー時間が短かったので採点なし」

――2列目とFWはどうでしょうか?

「右の久保建英は体調が十分ではなく、決定的な仕事はできなかった。5.5点。左の南野拓実は積極的にプレーして追撃のゴールを決めた。6.5点。後半初め、久保に代わって入った伊東純也は、再三、精度の高いクロスを入れ、2点目と3点目をアシストした。7.5点で、この試合のMVPに選びたい。

 上田綺世は、多くのプレーに関与した。日本の1点目でブラジルのCBにプレッシャーをかけてミスを誘発したし、日本の逆転勝ちにつながる3点目を決めた。6.5点。後半途中からピッチに入った町野修斗は、当初はCFとして、途中からMFとして高さを発揮した。6.5点。小川は、プレー時間が短かったので採点なし」

モリヤス監督…マネジメントを含めて見事だ

――森保監督は?

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