アフリカの青年たちが語る――第8回教学実力試験に向けて
アフリカの青年たちが語る――第8回教学実力試験に向けて
2025年10月16日
人間的成長遂げる行学錬磨のアフリカ青年部
人間的成長遂(と)げる行(ぎょう)学(がく)錬(れん)磨(ま)のアフリカ青年部
人口15億人の半数以上が20歳未満のアフリカ。天然資源も豊富で、さらなる発展が見込まれるこの大陸で、確固たる希望の哲理を求める若者が増えている。
今月19日を中心に、アフリカ各国で「第8回教学実力試験」が行われる。2016年に19カ国のメンバーが参加して始まったこの試験は、昨年には30カ国が参加。地涌の同志は試験を目指した研さんの中で、求道の心に磨きをかけ、宿命転換の法理を学び、着実に希望のスクラムを拡大してきた。
先月上旬、SGI(創価学会インタナショナル)青年研修会で来日した、ガーナ、トーゴ、カメルーン、ザンビア、コンゴ民主、マダガスカルの代表に、本年の取り組みや御書を学ぶ意義、仏法の魅力などについて話を聞いた。
本年9月、求道の心に燃えて来日したアフリカの同志
本年9月、求道の心に燃えて来日したアフリカの同志
――SGI発足50周年という意義深き本年の5月3日、トーゴの首都ロメに、アフリカ24カ国1000人の同志が集い、谷川SGI理事長が出席して歴史的なアフリカ希望総会が行われました。
ガーナ 男子部地区リーダー ボブソン・アテコさん
ガーナ 男子部地区リーダー ボブソン・アテコさん
ボブソン・アテコさん(ガーナ)
国や言葉の壁を越えて、広宣流布という共通の理想で結ばれていることを実感した総会でした。
心を打たれたのは、陰で任務に当たる創価班と白蓮グループの献身的な姿でした。ガーナでは今、これほどの総会を無事故で成し遂げた彼らに追いつこうと、“トーゴに学べ”を合言葉に切磋琢磨しています。
トーゴ 白蓮グループ委員長 エルヴィール=ライッサ・アペチョさん
トーゴ 白蓮グループ委員長 エルヴィール=ライッサ・アペチョさん
エルヴィール=ライッサ・アペチョさん(トーゴ)
ありがとうございます。私からも、お隣の国ガーナの皆さんに言いたいことがあります(笑)。
実は、私たちトーゴの青年部は、本年1月にガーナで開かれた「西アフリカ総会」に参加し、大きな刺激を受けたのです。会合を成功させるために、運営を担う青年部がさまざまな工夫をしていることを目の当たりにし、アフリカ希望総会の成功に欠かせないヒントを得ることができました。
カメルーン 副青年部長 マリレーヌ・ケメさん
カメルーン 副青年部長 マリレーヌ・ケメさん
マリレーヌ・ケメさん(カメルーン)
両方の集いに参加しましたが、それぞれから啓発を受けた内容は、自国の同志ともすぐに共有しました。
私たちは今、定例の会合一つとっても、「どうすればもっと良くなるか」「広布を進めることができるか」を常に意識して行っています。互いの成長を目指し、触発し合うという“広宣流布のための競い合い”がアフリカで起きていると感じます。まるで、牧口先生が提唱した人道的競争のようだと胸を張っています。
マダガスカル 女子部座談会責任者 キャロル・デュドネさん
マダガスカル 女子部座談会責任者 キャロル・デュドネさん
――今月、伝統の「アフリカ教学実力試験」が行われます。教学研さんのリズムや工夫している点を教えてください。
キャロル・デュドネさん(マダガスカル)
私の地域では、研さんのための会合を毎週土曜日に開いています。メンバーの要望に応じて、フランス語の教材を現地の言葉に翻訳したり、具体的な例えを使うなどして、皆が学びやすいよう準備に力を注いでいます。私は職場の同僚にも、試験の参加を呼びかけました。
アペチョさん
トーゴでも週に一度は皆が教学に触れる機会をつくっています。座談会や各部の集いでも、実力試験の範囲となっている御書を必ず学習。何度も繰り返し学ぶことで、より深く理解することができるのです。
ザンビア 副青年部長 ジョセフ・ケトゥロ・ムワンサさん
ザンビア 副青年部長 ジョセフ・ケトゥロ・ムワンサさん
ジョセフ・ケトゥロ・ムワンサさん(ザンビア)
私の国では、講義形式ではなく、ディスカッションを中心に研さんします。毎回、研さんのテーマを、日常生活と関連付けたものに設定し、教学をより身近に感じてもらう工夫をしています。その結果、信心が深まり家族や友人への折伏に挑む友が増えています。
コンゴ民主 女子部長 セシル・シンティア・ブンコウさん
コンゴ民主 女子部長 セシル・シンティア・ブンコウさん
セシル・シンティア・ブンコウさん(コンゴ民主)
私たちの地域では、講義を担当できる人材の育成にも力を入れています。勇気を出して自ら御書講義を担当することで、教学力が増すだけでなく、責任感を養い、人間的に成長する機会となるからです。
妙法は21世紀の大陸照らす究極の希望!
妙法は21世紀の大陸照らす究(きゅう)極(きょく)の希望!
――心に刻んでいる御書の一節を教えてください。
アテコさん
「行学たえなば仏法はあるべからず。我もいたし、人をも教化候え」(新1793・全1361)の一節です。教学は、単に知識を増やすものではありません。学べば学ぶほど、広布の師匠・池田先生の心にも迫ることができると感じます。
教学を通して、“先生のように、困難を恐れず堂々たる人生を送ろう”との決意が深まります。私自身、職場での振る舞いが変化し、周囲から信頼されるようになりました。
ケメさん
私は「『衆生の心けがるれば土もけがれ、心清ければ土も清し』とて、浄土といい穢土というも、土に二つの隔てなし、ただ我らが心の善悪によると見えたり」(新317・全384)の御文を大切にしています。
かつてウクライナで医学を学んでいた頃、人間関係に行き詰まり、「一体何をしに来たのか」と悩みました。
帰国する考えが何度も頭をよぎりましたが、悶々としながらも題目をあげ続け、その中でこの一節に出合ったのです。“自身の仏性を開けば、この厳しい環境も必ず変わる”と発心。積極的に友に声をかけるように努め、ロシア語とウクライナ語の習得にも挑戦しました。
少しずつ周囲に信頼できる人が増え、同じ祖国の友人にも出会いました。やがて、滞在する街にカメルーン人女性のコミュニティーが生まれ、その集いは市のカメルーン人の協会へと発展し、スポーツや文化交流を促進するイベントを開催するまでに。自身の心が変われば周囲も変わるという手応えを感じました。
知り合ったウクライナの友人にも対話することができ、歓喜の体験を積むことができました。
カメルーンで開かれた青年部研修会。教学実力試験への研さんに力が入る(7月、ドゥアラで)
カメルーンで開かれた青年部研修会。教学実力試験への研さんに力が入る(7月、ドゥアラで)
――アフリカ青年部の皆さんが仏法に魅了される理由は何でしょうか。
デュドネさん
他の宗教を信仰していた家庭に生まれた私は、自分の“外”にある何かが、運命を決めるという考えに疑問を感じていました。家族の勧めで信心を始め、病を克服することもできましたが、何よりも感動したのは、一切を変革していく力は自分の中にあるという“人間を信じ抜く哲理”でした。
ムワンサさん
日蓮大聖人は祈るだけでなく、「法華経の行者」として行動する重要性を教えられています。行動力を発揮する勇気が、御本尊への「信」によって引き出されることに、題目を唱える度に感動します。望む結果を得るためには、信行学のうちどれが欠けてもいけないと、自身に言い聞かせています。
ブンコウさん
伸びゆくアフリカ社会の中でも、経済発展から置き去りになってしまう若者世代がいることは事実です。“希望はない”と感じてしまう厳しい状況の中にいる若者も少なくありません。しかし、私は“希望はある”と確信します。一人一人の無限の可能性を開く仏法と、その偉大さを生涯を通して示された池田先生という師匠がいるからです。
先生の生き方に連なる弟子として、妙法という“究極の希望”をアフリカ中に広め、師が構想した“21世紀の希望大陸アフリカ”の実現へ、前進していく決意です。
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