ステランティスに法的措置示唆、カナダ政府 米への生産移転で

カナダのジョリー産業相は、欧米自動車大手ステランティスのアントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)に宛てた15日付の書簡で、一部の生産を米国工場に移転する同社の計画は容認できないとして、法的措置を取る可能性を示唆した。写真はオンタリオ州ウィンザーの組立工場。4月4日撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)

[オタワ 15日 ロイター] – カナダのジョリー産業相は、欧米自動車大手ステランティス(STLAM.MI), opens new tab
のアントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)に宛てた15日付の書簡で、一部の生産を米国工場に移転する同社の計画は容認できないとして、法的措置を取る可能性を示唆した。この書簡をロイターが確認した。

ステランティスは14日、米国に130億ドルを投じて5つの新モデルを投入すると発表。この計画の一環として、SUV(スポーツタイプ多目的車)「ジープ・コンパス」の生産をカナダ東部オンタリオ州ブランプトンの工場から米中西部イリノイ州の拠点に移す。

ジョリー産業相は書簡でステランティスが多額の財政支援と引き換えにカナダでの事業維持を約束していたと指摘。その上で「この約束を果たさない場合は、契約違反と見なされる」とし、約束を守らなければ「法的措置を含むあらゆる選択肢」を行使すると述べた。

カナダのカーニー首相は14日夜、政府はステランティスが同工場の従業員に対して行った約束履行への期待感をはっきり示したとの声明を出した。

ステランティスの広報担当者は電子メールの声明で、同社はカナダに投資しており、オンタリオ州ウインザー工場に3交代制を導入する計画について言及。「カナダは当社にとって非常に重要だ。ブランプトン工場については計画があり、カナダ政府と協議を進めた上で内容を共有する」と述べた。

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David Ljunggren

Covers Canadian political, economic and general news as well as breaking news across North America, previously based in London and Moscow and a winner of Reuters’ Treasury scoop of the year.

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