ベッセント米財務長官は15日、通商交渉に携わる中国の李成剛商務次官が8月にワシントンに招待なしで現れ、「常軌を逸した」態度を示したと述べ、中国のいわゆる「戦狼外交」のような行動を想起させるものだと批判した。
ベッセント氏は記者会見で、李氏による8月の訪米はトランプ政権からの要請ではなかったと説明。「非常に挑発的な言葉遣いで8月28日に現れたこの次官は、もはやならず者かもしれない」と話し、さらに「この人物は非常に無礼だった」と指摘した。
ベッセント氏は先にCNBCのイベントでも李氏について触れ、「常軌を逸した」態度を示していたと非難していた。
中国商務省は、ベッセント氏の発言に関するコメント要請に応じなかった。
ベッセント氏
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
トランプ米大統領が4月2日を「解放の日」と呼び、大がかりな関税措置を発表してほどなく、中国は李氏(58)を商務次官兼通商特使に任命。李氏は何度か行われた米中間の交渉で、何立峰副首相と共に中心的な役割を果たしてきた。
中国商務省は8月末、李氏が米国の財務省や商務省などの当局者と会談するためワシントンを訪れたと発表。その際の声明によると、李氏は訪問中、「相互尊重と平和共存、ウィンウィンの協力の原則」を強調したという。
しかしベッセント氏は全く異なる見方を示しており、李氏は米国が中国船舶に課す港湾料を導入すれば「世界的な混乱を引き起こす」と警告したという。ベッセント氏は李氏について、「恐らく自分を戦狼外交官だと思っている」と語った。
李成剛氏
Source: VCG/Getty Images
原題:Bessent Calls China Trade Negotiator An ‘Unhinged’ Wolf Warrior (抜粋)
— 取材協力 Colum Murphy, James Mayger, Fran Wang and Jing Li
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