新しい立体的フロントエンブレムを採用

 ステランティスの伊ブランド、アルファ ロメオは2025年10月14日、欧州にて「トナーレ」をモデルチェンジ、新型を発表しました。

欧州で初公開されたアルファ ロメオ新型「トナーレ」欧州で初公開されたアルファ ロメオ新型「トナーレ」

 トナーレは、2022年に欧州で発売されたSUVで、全長4530mm✕全幅1835mm✕全高1600mmというCセグメントモデルです。日本でも2023年1月に発表されています。

 今回、新型トナーレの発表の舞台となったのはイタリア・ピサ。芸術と科学技術の街であるピサは、人工知能研究で知られる高等師範学校を擁し、情熱とテクノロジーの融合を象徴しています。アルファロメオはこの地を選ぶことで、同ブランドが掲げる「人間の知性=ドライビングエモーション」を体現しています。

 アルファロメオCEOのサント・フィチーリ氏は、「新型トナーレは、イタリアの美学と革新、走る喜びを融合させたモデルです。性能だけでなく、クルマとドライバーの感情的なつながりを深める存在です」と語っています。

 エクステリアは、ブランド伝統の「必要美」という哲学に基づき、均整の取れたプロポーションと機能性を追求しました。

 フロントには新しい立体的エンブレムを採用し、伝説の「33ストラダーレ」などに着想を得た造形を取り入れています。ホイールベースを拡大し前後トレッドを広げたことで、より安定感あるスタンスを実現しました。新デザインの19インチおよび20インチホイール、ブラックとホワイトを基調とした新エンブレムなども採用されています。

 インテリアは素材と仕立てを見直し、赤レザーや2トーンのアルカンターラなど、上質でモダンな空間を演出しています。

 前席には電動調整機構とシートヒーター・ベンチレーション機能を備え、ステアリングヒーターやワイヤレス充電など、快適性を高める装備が充実しています。特別仕様の「スポルト・スペチアーレ」では、蛇をモチーフにしたマルチカラーのアンビエントライトも採用されました。

 12.3インチのデジタルメーターと10.25インチのインフォテインメントシステムを搭載し、Apple CarPlayとAndroid Autoのワイヤレス接続に対応しています。さらにOTAアップデートによるソフトウェア更新も可能です。安全装備も充実しており、レベル2相当の運転支援システムを備え、欧州NCAPで最高評価の5つ星を獲得しています。

 ボディカラーは全8色に拡大され、ロッソ・ブレラ、ヴェルデ・モンツァ、ジャッロ・オークラという3色の新メタリックカラーが追加されました。オプションのブラックルーフを組み合わせることで、よりスポーティで洗練された印象を演出します。

 走行性能面では、アルファロメオ伝統のバランスの取れたシャシ設計とハンドリングがさらに進化しました。マクファーソン式サスペンションを前後に採用し、四輪ブレンボ製ブレーキやセグメントで最もクイックなステアリング比を実現しています。電子制御サスペンション「デュアル・ステージ・バルブ(DSV)」や「ブレーキ・バイ・ワイヤ」技術、プラグインハイブリッドにはQ4 AWDを搭載するなど、快適性と安定性を高次元で両立しています。

 パワートレインは、175馬力を発揮する1.5リッターターボ・ハイブリッド、130馬力の1.6リッターディーゼル、そして270馬力を誇るプラグインハイブリッドQ4を設定。エンジンは欧州の最新排出ガス基準「ユーロ6E-bis」に適合し、ハイブリッド制御もより滑らかに進化しています。

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 新しいラインナップ戦略では、エントリーグレードの「トナーレ」から「スプリント」「Ti」「ヴェローチェ」まで、ニーズに合わせた4タイプを設定。エントリーモデルでもLEDライトや先進安全装備を標準装備し、上級グレードではアルミ製パドルシフトやフルレザーシートなどを備えています。

 最上級仕様「ヴェローチェ」は電子制御サスペンションを標準装備し、走りの質を一段と高めました。さらに、発売記念限定車「スポルト・スペチアーレ」も設定され、イタリアンスポーツの魅力を際立たせています。

 価格や日本導入時期など詳細については明らかになっていません。

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