バス海峡での戦い ― Honda HRC Castrol、オーストラリアへ向かう

1997年以来、フィリップアイランドはMotoGP世界選手権の中でも随一の魅力を誇るサーキットとして、その地位を守り続けています。荒々しいバス海峡からわずか数メートル先に位置する、全長4.45kmの高速かつ流れるようなコースは、スリリングな接戦を数多く生み出してきました。Honda HRCにとっては、1989年以降15回の最高峰クラス優勝を挙げている「得意の地」でもあります。

インドネシアGPで安定してトップ5圏内に名を連ねたルカ・マリーニは、再びその好調を維持し、待望の表彰台フィニッシュを目指しています。2024年のオーストラリアでも堅実な週末を過ごしており、今年はHonda RC213Vの大幅な改良と自身のパフォーマンス向上により、すでに幸先の良い兆しを見せています。例年通り、変わりやすい天候の中で冷静さを保つことが、第19戦で最大限の成果を得る鍵となります。

ジョアン・ミルは2015年にフィリップアイランドで世界選手権デビューを果たし、そのわずか2年後にまさに同じサーキットでHonda NSF250RWを駆って初のMoto3クラス世界選手権タイトルを獲得しました。ここ数年は厳しい戦いが続いていますが、ミルの爆発的なポテンシャルに疑いの余地はありません。

MotoGPの戦いはますます激しさを増しており、次戦オーストラリアGPは記憶に残る激戦になることは間違いありません。マリーニとミルは、再び自らとHonda HRCのポテンシャルを証明するべく万全の体制で挑みます。

サーキット情報
フィリップアイランドは、オーストラリアのモータースポーツの聖地として知られ、モーターレースの伝統に深く根ざしています。1920年代には一般道で最初の自動車レースが、1931年には初めての二輪レースが開催され、1956年には常設サーキットが建設されました。1970年代後半から1980年代初頭にかけて荒廃していたサーキットは、1985年に買収され、500万豪ドルをかけて大規模な改修が行われました。1989年と1990年にMotoGPが開催され、1997年以降は毎年カレンダーに名を連ねています。

フィリップアイランド・サーキットは、壮大な景観と美しい海の眺めに恵まれ、MotoGPカレンダーの中でも最も高速で流れるようなレイアウトを持つコースの一つとして、毎年見応えあるレースが繰り広げられています。

Luca Marini
10

Honda HRC Castrol

ここ数戦と同じ集中力で臨みます。ロンボクでは多くのことを学ぶことができたので、それをオーストラリアで活かす準備ができています。フィリップアイランドはロケーションもレイアウトも非常にユニークで、他のサーキットとは全く異なる雰囲気があります。天候さえ良ければ走るのが本当に楽しい場所なので、少しでも天気予報が良くなることを願っています。今週末の目標は変わりません。自分自身もHonda HRC Castrolチームも、今あるパッケージでどんな走りができるか分かっていますし、結果を出す時です。

Joan Mir
36

Honda HRC Castrol

オーストラリアには良い思い出がたくさんあり、毎年フィリップアイランドで走ることを楽しみにしています。このサーキットは常にライダーの力量が結果に大きく影響する場所です。今年はこれまでよりもかなり強力なパッケージで臨むことができるので、日本やインドネシアで見せたような戦いをしたいと思います。予選で良いポジションを確保し、決勝では風の状況を見極めながら、しっかりと戦いに備える―それが今回のプランです。