モルガン・スタンレーの7-9月(第3四半期)は、株式トレーディング収入が予想を大きく上回った。トランプ米大統領の政策に起因する市場の不安定による取引活発化の恩恵を受け、競合するゴールドマン・サックス・グループの成果も上回った。
15日の決算発表によると、株式トレーディング収入は前年同期比35%増の41億2000万ドル(約6200億円)と、市場予想の6.6%増を大きく上回る伸びとなった。
この分野の収入が37億4000万ドルだったゴールドマン・サックス・グループを凌駕(りょうが)した。近年、株式トレーディングではゴールドマンが優位を保ってきたが、テッド・ピック最高経営責任者(CEO)の下、モルガン・スタンレーは首位奪還を狙ってきた。
第3四半期は投資銀行業務の手数料収入も44%増と好調。ウェルスマネジメント部門は、新規資金810億ドルを獲得、税引き前利益率30%を確保し、収入が予想を上回った。
モルガン・スタンレーの株式トレーディング収入は第2四半期に同四半期として過去最高を記録したが、第3四半期も同四半期としての最高となった。
債券トレーディング収入も前年同期比8%増となり、トレーディング全体の収入は62億9000万ドルに達した。市場予想の55億ドルを大きく上回った。
ウェルスマネジメント事業の収入は予想を上回る82億ドルとなった。それでも、2023年序盤に掲げた約3年ごとに1兆ドルの新規資産を獲得するという目標を達成するには、年内残り3カ月で2320億ドルを取り込む必要がある。第3四半期のほぼ3倍となる。
第3四半期の総収益は182億ドルと、市場予想平均の166億ドルを上回った。ただ、コストも予想を上回り、人件費は74億4000万ドル、非金利費用全体は122億ドルとなった。前年同期比で10%増加し、市場予想の6.8%増を上回った。
原題:Morgan Stanley Stock Traders Beat Goldman in Record Quarter (1)(抜粋)
— 取材協力 Sridhar Natarajan
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