
欧州連合(EU)欧州委員会が提案している、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援計画案を受け、一部の中央銀行に動揺が走っている。アナリストによれば、これにより西側諸国以外の地域での外貨準備高を目的とした金購入が加速する可能性がある。写真は2016年9月、カザフスタン・アルマトイにあるカザフスタン国立銀行(中銀)の金庫室で撮影した金の延べ棒(2025年 ロイター/Mariya Gordeyeva)
[ロンドン 14日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州委員会が提案している、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援計画案を受け、一部の中央銀行に動揺が走っている。アナリストによれば、これにより西側諸国以外の地域での外貨準備高を目的とした金購入が加速する可能性がある。
支援計画案では、欧州内で現在凍結されている最大1850億ユーロ(約33兆円)に上るロシア政府資産を押収せずに活用することが可能になる。ただ、多くの国や欧州中央銀行(ECB)にとっては超えてはならない一線とされる。
中国や一部の途上国は、ロシアが制裁で3000億ドルの外貨準備高を凍結されたことを受け、既に西側諸国の通貨や国債を手放し、金に分散投資している。
メタルズ・フォーカスによると、各国中銀による金の年間純購入量は2022年以降、過去5年平均の2倍超となる1000トンを上回っている。これにより金相場は一層押し上げられ、金価格は今月1オンス=4000ドル超と過去最高値を更新した。
英オンライン貴金属取引所ブリオンボールトの調査責任者エイドリアン・アッシュ氏は「金は誰の負債でも債務でもなく、外貨準備高の政治的安全性を懸念する中銀にとっては非常に魅力的だ」と指摘。万が一EUがウクライナへの財政支援のためにロシアの資産に手を付ければ、中銀が金購入を加速することは「十分起こり得る」と分析した。
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