(CNN) ニュージーランド出身の男性のフルネームがこのほど、「世界一長い名前」のギネス記録に認定された。認定された男性の短縮名はローレンス・ワトキンズさん(60)。フルネームは全2253語で構成され、読み上げるのに20分を要する。
1991年に結婚式を挙げた際は、式を執り行った人が事前に準備しておいた録音を使用した。フルネームの録音が流れ、ワトキンズさんがようやく「誓います」と言うまでの間、招待客はシャンパンを片手に会場を歩き回っていた。
ギネス・ワールド・レコーズは92年にワトキンズさんのフルネームを世界で最も長い洗礼名と認定していたが、このほど分類が変更され、世界一長い個人名に認定した。
ワトキンズさんは1990年に名前を変更し、当初の出生名のローレンス・グレゴリー・ワトキンズに2250個の名前を追加した/Laurence Watkins
65年の誕生時の名前はローレンス・グレゴリー・ワトキンズ。しかし世界中の驚くような人や場所や出来事を紹介するテレビ番組に魅せられたことがきっかけで、ギネス記録に興味を持つようになった。
ワトキンズさんは現在、オーストラリアの市民権を獲得してシドニーに住む。CNNの取材に対し「世界一速い男性、世界一背の高い男性、世界一強い男性。世界一髪が長い人、世界一爪が長い人など、記録保持者に驚嘆した」と語った。しかし「特別な才能もない普通の人」としての自分が記録を作るためには、世界最長の名前を作り出すしかないと考えたという。
翌月1カ月を費やして自分の新しい名前を決め、タイピストに400ニュージーランド・ドルを払ってその名前を書面に記載してもらった。
参考にしたのはラテン語や古い英語の名前、有名人の名前、当時勤務していたオークランド図書館にあった赤ちゃんの名付け本、ニュージーランドの先住民マオリの辞書など。自身はマオリ文化と無関係だが「この言葉を話す人たちを尊敬している」とワトキンズさんは言う。
ほかにも英国のテレビ番組に登場するキツネのキャラクターにちなんだ名前や、友人が勧めてくれたサモアの名前、オリンピックの金メダリストの名前などを使用。日本の名前三つと中国の名前二つも使った。「お気に入りはAからZまで2000以上の名前があるという意味の『AZ2000』」だという。
タイプしてもらった名前は全部で6ページに及び、タイプライターでは修正が困難な打ち間違えもところどころにあったが、1990年に正式に名前の変更を申請した。
オークランド地裁はワトキンズさんの申請を認めたが、最終段階で登記所に阻まれた。「登記所からは、新しい名前にできる唯一の方法は高裁に持ち込むことだと告げられた」とワトキンズさん。「政府が私の名前の変更を却下できる法的根拠はなかったので、私が勝利した」という。
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