ウクライナ大統領、「親ロシア派」の国籍剥奪 オデーサ市長ら3人

ロシアのモスクワで、AFPとのインタビュー中にタトゥーを見せるバレエダンサー兼俳優のセルゲイ・ポルーニン氏(2019年2月14日撮影)。(c)Alexander NEMENOV/AFP

【AFP=時事】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、ロシアのパスポート(旅券)を所持しているとの疑惑を受け、南部オデーサのゲンナジー・トルハノフ市長のウクライナ国籍を剥奪した。

ウクライナ保安庁はテレグラムで、ゼレンスキー氏が署名した法令に基づき、トルハノフ氏のウクライナ国籍を剥奪したと発表。トルハノフ氏がロシア国籍を所持し、「侵略国の有効な国際パスポートを所持している」と非難した。

トルハノフ氏は一貫してこの疑惑を否定している。

元国会議員のトルハノフ氏は、2014年からオデーサ市長を務めてきたが、ウクライナ国籍の剥奪は、事実上の失職となる。

​​トルハノフ氏はテレグラムに投稿したビデオメッセージで、「ロシアのパスポートを取得したことはない。私はウクライナ市民だ」と強調した。

「選挙で選ばれた市長としての職務を可能な限り遂行し続ける」と述べ、法廷で争う意向を示した。

トルハノフ氏はかつて親ロシア派とみなされていたが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に転向。ロシア政府を公然と非難する一方で、オデーサの防衛とウクライナ軍への支援に注力している。

ウクライナ政府筋によると、バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニン氏も国籍を剥奪された。

胸にロシアのウラジーミル・プーチン大統領の大きなタトゥーを入れているポルーニン氏は、プーチン氏を声高に支持してきた。

ポルーニン氏はウクライナ南部生まれ。2018年にロシア国籍を取得した。2022年のロシアによるウクライナ侵攻を支持し、2014年には、自身が居住・活動していたクリミア半島のロシアへの併合を支持した。

ウクライナ政府筋によると、2023年に暗殺未遂事件を生き延びた親ロシア派の政治家オレグ・ツァリョフ氏の国籍も剥奪された。
【翻訳編集】AFPBB News

WACOCA: People, Life, Style.