14日の欧州債市場では、フランス債が上昇。10年債利回りはおよそ3カ月ぶりの大幅な低下となった。ルコルニュ首相が示した予算を巡る譲歩で、政治危機の深刻化が回避されるとの楽観が広がった。

  フランス債の上昇で、ドイツ債とのスプレッドは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小して79bpと、年初来で最大級の縮小幅。79bpは終値として1カ月余りで最小となる。

  ルコルニュ氏が提示した年金改革の停止は、マクロン大統領の主要な経済政策の一つだった。この譲歩で赤字抑制は困難になるが、投資家が懸念する再選挙の回避に向けては大きく前進したと捉えられた。

  フランス10年債利回りは7bp低下して3.40%と、2カ月ぶりの低水準。先週はルコルニュ氏の突然の辞任発表後、一時3.61%を付け、ドイツ債とのスプレッドが89bpを超えた場面もあった。

  株式は下落。中国が米国に対して追加の報復措置をとる意向を示し、警戒感が広がった。

  ストックス欧州600指数は0.4%下落。ルコルニュ首相が政治的な行き詰まりを打開しようと年金改革の停止を提案したフランスのCAC40指数は下げを縮小し、0.2%安で引けた。

  スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンは18%高と、2002年以来の大幅上昇。子会社アイコネクティブの売却で、7-9月(第3四半期)の利益とキャッシュフローが押し上げられた。タイヤメーカーのミシュランは8.9%安。北米事業の低迷で、通期業績予想を下方修正した。

10月14日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

為替スポット価格前営業日ユーロ/ドル1.16091.1570ドル/円151.74152.28ユーロ/円176.16176.18株終値前営業日比変化率ストックス欧州株600564.54-2.09-0.37%英FT1009,452.77+9.90+0.10%独DAX24,236.94-150.99-0.62%仏CAC407,919.62-14.64-0.18%債券直近利回り前営業日比独国債2年物1.94%-0.01独国債10年物2.61%-0.03英国債10年物4.59%-0.07

原題:French Bonds Have Best Day Since July as Political Risks Ease(抜粋)

European Stocks Drop on Renewed Trade Concerns; Ericsson Soars(抜粋)

— 取材協力 Farah Elbahrawy and Greg Ritchie

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