話し言葉がスムーズに出てこない「吃音」。

その当事者らでつくる団体が企画した全国大会が10月、徳島市で開催されます。

本番を前に何と正真正銘、本物のイギリス国王から大会成功を願う応援メッセージが届きました。

一体なぜ?

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「びっくりしたを超えて(手紙が)来たのか・・・なかなか言葉が出なかった」

こう話す鳴門教育大学4年生の安藤瑞輝さんは、話し言葉が滑らかに出てこない「吃音」のある人らでつくる団体「徳島言友会」のメンバーです。

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「自分たちの活動を認めてくださっているんだなって、付加価値をつけてくださったというのが率直に感じた」

今回、届いた手紙がこちら、便箋の上部にはバッキンガム宮殿のイラストが描かれ、「親展」を意味する「private and confidential」の文字が。

気になる差出人は、なんとイギリスのチャールズ国王です。

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「言友会からイギリス王室に手紙を送ったところ、チャールズ国王から手紙が届いた」

実は、イギリス王室から手紙が届くのはこれで8回目。

海を越えた手紙のやり取り、きっかけは2012年にまで遡ります。

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「『英国王のスピーチ』っていう映画が公開されて、そこに感銘を受けた言友会のメンバー10人ほどが、映画の感想をイギリス王室に送ったのがきっかけです」

日本では2011年に公開された映画「英国王のスピーチ」は、吃音に悩むイギリス国王、チャールズ国王の祖父ジョージ6世が、セラピストの特訓を受け、苦しみながら自らを克服、第二次世界大戦の勃発に際し一世一代のスピーチに望むという史実に基づいた物語です。

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「吃音があっても人前に出て熱意を持って話す姿が、言友会の人たちにすごく伝わったのかなと」

全国各地にある言友会を束ねるNPO法人全国言友会連絡協議会は毎年、吃音の当事者らが集まって語り合うイベントを開いています。

10月の徳島での初開催を前に届いた手紙は、安藤さんたちに大きな励みを与えてくれました。

(徳島言友会・安藤瑞輝さん)
「イギリス国王から『大会が成功しますように』って激励の言葉をいただいたので、この大会をきっかけにして吃音の理解を広めていきたい」

吃音という共通点で時代を越えてつながったイギリス王室との絆、手紙の内容は10月25日に開かれる大会の冒頭で初お披露目される予定です。

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