ドイツ経済に対する投資家の信頼感が改善した。大規模な景気対策で低迷期を抜け出せるとの期待を反映した。

  ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が14日発表した10月の期待指数は39.3と、前月の37.3から上昇した。ブルームバーグがまとめた予想では41.1への上昇が見込まれていた。現況指数は予想外に悪化した。

  ZEWのバンバッハ所長は「専門家たちは、依然として中期での好転を期待している」と発表文で指摘。「世界的に不透明感が続き、政府の投資計画の実施を巡る明確な見通しも欠けているにもかかわらず、ZEWの指数は10月にやや改善した」と述べた。

  ドイツ経済は巨額のインフラ・防衛支出を追い風に来年上向くと期待されているが、競争力の強化なくして本物の回復はあり得ないとの警告にも直面している。政府は官僚的な手続きの簡素化に向けた計画を示しているものの、その他の改革では行き詰まりが続いている。

  企業の苦境は深刻だ。ポルシェやBMWなどの自動車メーカーは、中国での販売不振や米国の関税の影響を受け、今年の業績見通しを下方修正した。ロバート・ボッシュなどの部品メーカーは数千人規模の人員削減を準備している。

  足元の経済指標にも、その苦境は表れている。輸出は8月に2カ月連続で減少し、対米輸出額は約4年ぶりの低水準に落ち込んだ。製造業の受注は4カ月連続で減少、鉱工業生産は2022年初め以来の大幅な落ち込みを記録した。

原題:German Investor Confidence Rises on Fiscal Stimulus Hopes(抜粋)

— 取材協力 Iain Rogers, Kristian Siedenburg, Joel Rinneby and Harumi Ichikura

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