米投資ファンドのKKRとモルガン・スタンレーが、1530億ドル(約22兆7400億円)規模に上る韓国の賃貸住宅市場へ参入する。韓国で家賃支払いの制度に変化が見られ、世界の機関投資家に大きな投資機会をもたらしているためだ。

  直近2カ月でKKRがソウルの高級住宅街にある集合住宅を購入したほか、M&Gリアル・エステートは韓国で初めてとなる住宅用不動産に投資すると発表した。また、モルガン・スタンレーは小規模住宅の購入のため韓国の運用会社グラビティー(Gravity)と提携した。

  韓国では住宅を借りる際に毎月の家賃は払わず、多額の保証金を預ける「チョンセ」制度が長年続いてきた。今このチョンセの利用割合が低下し毎月の家賃支払いが増えているため、海外の機関投資家が好機と捉えている。好調な韓国の住宅市場で安定的なキャッシュフローが得られるようになっているのだ。

  iMセキュリティーズのアナリスト、ペ・セホ氏は「機関投資家から見ると、韓国の住宅賃貸市場は始まったばかりだ」と語り、「チョンセ制度への忌避感が強まるにつれ、企業による投資が可能な毎月払いの賃貸市場はさらに拡大していくだろう」と指摘する。

  CBREのデータによれば、ソウルの集合住宅は約4.5-5.5%の利回りで、東京の倍近い。現地アナリストの試算では、中心部の一部小規模物件では利回りが6.5%に達している。

  モルドール・インテリジェンスによると、韓国の住宅用不動産市場は2030年には4376億ドルまで拡大すると予測されている。25年時点では約4020億ドル。賃貸契約の割合は市場全体の約38%で約1530億ドルに達する。

  韓国政府はここ数年、チョンセによる契約比率の引き下げに取り組んでいる。低所得者層が利用しづらく、詐欺のリスクが高いと批判されてきたためだ。

  また、人口動態の変化も追い風だ。インベスコによれば、韓国の高齢者人口は50年までにほぼ倍増する見込みだが、高齢者向け住宅の普及率は1%未満にとどまっている。オーストラリアの6%、米国の11%と比べて極めて低い水準だという。

原題:Morgan Stanley, KKR Bet on Historic Changes for Korean Renters(抜粋)

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