暗号資産(仮想通貨)ビットコイン価格は10日の急落から若干持ち直したが、200億ドル(約3兆円)を超える過去最大規模のロスカット(強制清算)による影響はほとんど和らいでいない。数カ月にわたる投機的な積み上げが一気に吹き飛び、一部のファンドは市場から完全撤退したとトレーダーらは話している。
暗号資産データ会社コイングラスによると、主要交換業者全体のビットコイン先物の建玉は約700億ドルと、従来の940億ドル前後から減少。1日としてこの2年余りで最大の落ち込みとなった。自動マージンコール(追加証拠金請求、追い証)と広く分散した流動性に支配される市場で、リスクがいかに急速に解消されるかを浮き彫りにした。
関連記事:暗号資産市場で過去最大の強制清算、トランプ氏の対中追加関税表明で
Source: Coinglass
K33の調査部門責任者ベトル・ルンデ氏は「このデレバレッジの規模は市場を不安定化させる可能性が高い。一部のファンドは破綻に追い込まれ、ロング(買い持ち)ポジションは甚大な損失を出した」とした上で、「ビットコインは極めて大きな損失を被ったが、強制清算で非常に強い圧力がかかったことを踏まえれば、価格はかなり底堅い」と語った。
コインゲッコーのデータでは、暗号資産全体の時価総額は13日に6%強膨らんで4兆ドルを突破した。ビットコインはニューヨーク時間13日午後時点で約11万5000ドル。米国時間10日には10万5000ドルを割り込んでいた。
中国に対し100%の追加関税を課すとするトランプ大統領の発表は10日遅く、投機色が強まっているグローバル市場を大きく揺さぶった。中でも暗号資産市場への影響が最も大きく、ビットコインやイーサより規模の小さいアルトコインに連動する指数は数分で一時40%下落した。
原題:Bitcoin’s Fragile Rebound Follows $20 Billion Leverage Wipeout(抜粋)
WACOCA: People, Life, Style.