画像提供, AFP via Getty Images
画像説明, 交通整理に当たるハマス系の武装隊員(12日、パレスチナ・ガザ地区中部)
2025年10月13日 10:15
パレスチナ・ガザ地区北部ガザ市で11日、イスラム組織ハマスの治安部隊と、有力氏族ドゥグムシュ一族の武装メンバーの激しい衝突が発生し、12日までに双方合わせて少なくとも27人が死亡した。ガザでイスラエルが主な軍事行動を止めて以降で、最も暴力的な内紛となった。
目撃者らによると、ガザ市南部のテル・アル・ハワ地区のヨルダン病院の近くで、顔を覆ったハマスの戦闘員らと、ドゥグムシュ一族の戦闘員らが銃撃戦を繰り広げた。ハマスの戦闘員300人以上の部隊が、一族の戦闘員らが根城にする住宅地区に突入し、衝突が起きたという。
ハマスが運営するガザ内務当局の幹部は、治安部隊が一族の戦闘員らを包囲し、激しい戦闘の末に拘束したと説明。ハマスの8人が「民兵による武力攻撃」で殺されたとした。
内務当局はまた、ハマスの部隊が治安回復に努めていると説明。「抵抗運動の枠組みを逸脱した武力行動」には断固として対処すると警告した。
医療関係者らは、ドゥグムシュ一族の19人とハマスの戦闘員8人が死亡したとしている。
住民らによると、激しい銃撃戦の中、何十もの家族が自宅を出て避難するなど、パニック状態だったという。住民の多くは今回の戦争でたびたび家を追われている。
住民の1人は、「今回はイスラエルの攻撃から逃げていたのではない」、「自分たちの仲間から逃げていた」と話した。
衝突の責任をなすりつけ合う
ガザの有名氏族の一つのドゥグムシュ一族は長い間、ハマスと緊張関係にある。一族の武装メンバーらは過去に何度かハマスと衝突している。
今回の衝突をめぐっては、互いに相手がきっかけをつくったと非難し合っている。
ハマスは、ドゥグムシュ一族の武装メンバーらがハマスの戦闘員2人を殺害、5人を負傷させたことから、反撃に出たとしている。
一方、ドゥグムシュ一族の関係者は現地メディアに、アル・サブラ地区の一族の住居がイスラエルの攻撃で破壊されたことから、かつてヨルダン病院だった建物に一族が避難していたところ、ハマスの部隊が現れ、一族を追い出してハマスの新しい陣地をつくろうとしたと話した。
現地の情報筋によると、ハマスはイスラエル軍が撤退したガザの地域を再び支配しようと、治安部隊の約7000人を呼び戻したという。
報道では、ハマスの武装部隊はすでにいくつかの地区に展開しているとされる。部隊によっては私服姿だったり、ガザ警察の青い制服を着たりしているという。ハマスのメディアオフィスは、「街頭に戦闘員」を配置してはいないとしている。
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