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画像説明, 多くの利用客が集まるスペイン・セビリアのサンタ・フスタ駅
2025年5月6日
スペインで4日、高速鉄道の線路設備から銅線ケーブルが盗まれ、首都マドリードと南部アンダルシア州を結ぶ列車が運行を停止した。数千人の利用客が5日にかけて列車内に閉じ込められたり、足止めされたりする事態となった。
当局は5日、銅線ケーブルの盗難について調査を開始した。オスカル・プエンテ運輸相は「重大な妨害行為」だとしている。
プエンテ氏によると、銅線ケーブルの盗難は5カ所で発生。各現場は最大数キロしか離れていないという。5日朝の時点で、列車の運行は「完全に復旧している」とプエンテ氏は述べた。

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画像説明, 銅線ケーブルの盗難による列車の運休で、1万人以上の利用客が影響を受けた
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画像説明, 列車の運休により、利用客は5日にかけて足止めされた
マドリードのアトーチャ駅で列車を待っていた、アメリカから旅行に来たというケヴィンさんは、「この2週間で突然こんなことが起きるなんて、一体どうなっているんだ」とロイター通信に語った。
マドリードやセビリア、マラガ、バレンシア、グラナダの間で、計1万人以上の乗客が影響を受け、少なくとも30本の列車が運行を見合わせた。
この混乱は、セビリアで1週間にわたって行われるフェリア祭りを控える中で起きた。
プエンテ運輸相は5日朝、「非常に複雑な状況下で対応しなければならなかった利用客とスタッフにとって、非常に困難な一夜が過ぎ、現在は(列車の)運行は完全に回復している」と述べた。
銅線ケーブルの盗難地点は、林道を通らないとたどり着けない場所にあると、プエンテ氏は述べた。
スペイン鉄道インフラ管理機構(ADIF)は5日午後、列車の運行は徐々に平常に戻りつつあるとした。
スペイン内務省は先に、治安警備隊と警察が、ADIFやそのほかの当局と連絡を取り合い、「何が起きたのかを明らかにし、犯人を特定する」ために動いていると明らかにした。
銅の価格は近年高騰しており、鉄道や通信網の銅線ケーブルの盗難が急増している。

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