複数の関係者が10日明らかにしたところによると、中国の大手国有銀行がここ数週間、オンショア外為市場でドル買いを活発化させている。アナリストは人民元相場の安定が狙いだと分析している。2022年6月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[上海/北京 10日 ロイター] – 複数の関係者が10日明らかにしたところによると、中国の大手国有銀行がここ数週間、オンショア外為市場でドル買いを活発化させている。アナリストは人民元相場の安定が狙いだと分析している。
国有銀行は昨年、人民元安の阻止を目指していたが、今回は逆の動きとなっている。
国有銀行のドル買いは元安につながる可能性があるが、アナリストは、中国経済全般に再び弱さの兆しが出ていることに加え、共産党の重要会議である4中全会を今月20─23日に控えているため、人民元相場の安定を図る狙いがあると分析している。
ナティクシスのシニアエコノミスト、ゲイリー・ウン氏は「中国には人民元の安定を維持するインセンティブがある。次期5カ年計画を議論する4中全会が控えており、米中首脳会談が行われる可能性もある。また、第4・四半期に経済への圧力が高まる可能性も高い」と指摘。
民生証券のシニア・マクロ・アナリスト、Shao Xiang氏は「経済データは8月以降、目立って冷え込んでいる。中国が米連邦準備理事会(FRB)の利下げに急いで追随する可能性が低いことを考えると、中国人民銀行(中央銀行)は過度な元高をさらに嫌うだろう」と述べた。
INGのチーフ中国エコノミスト、リン・ソン氏は「米中イールドスプレッドが縮小していることを踏まえると、中期的には元高のリスクがあると感じている」と述べた。
オンショア人民元 は9月初め以降、ほぼ横ばいで推移している。
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