コメの「作況単収指数」 福井県は「103」評価は「やや良い」
コメの出来具合を示す新たな指標「作況単収指数」が10日、初めて公表され、福井県の指数は北陸で最も高くなりました。一方、およそ70年続いた統計の転換に生産者からは困惑の声も聞かれます。
農林水産省が発表した「作況単収指数」によりますと、福井県は北陸で最も高い「103」となりました。
また県内の予想収穫量は10アールあたり495キロで、去年に比べ1キロ増えました。
新しい指標は、過去5年のコメ収穫量のうち、最も多い年と少ない年を除いた3年分の平均と、今年の収量を比較して算出する仕組みです。
従来の「作況指数」は、過去30年の平均収量を元に算出してきましたが、近年の急激な気象変動の影響を反映できておらず「実態とずれがある」と指摘されていました。
■北陸農政局 福井県拠点 小松秀一 統括統計専門官
「一番話題になったのは、コメが無くなったことと、価格が高くなったこと」
およそ70年続いたコメ作りの「ものさし」の転換に農家は。
■越前市の農家 永木友也さん
「新しい指標を出すのは見切り発車の感じがあると思うので、まず最初にコメがあるよと、実際はなかったと、そこで備蓄米出しますよと その検証をしたうえで、信頼性のあるデータを提示してもらえると、それに基づいて作付けできる」
国の統計が変わる一方、農家は独自にデータをとって栽培に生かそうとしています。
最新のコンバインは、イネの収穫の際にもみの重さが計量でき、これを元に、データベース化した収量の記録と比較しながら、作付を進める計画ということです。
■永木友也さん
「国が出す指数と、うちが独自で出している数字と比較しながら、今後の作付けに生かしたい」
コメ政策の新たな基準となる作況単収指数。
価格の安定化のためにも、統計の信頼性と検証が求められます。
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